【12球団分析・中日編】新4番・ビシエドは本当に打ちまくるのか (3ページ目)

  • 石井祥一●文 text by Ishii Shoichi
  • photo by Getty Images

 ただ、谷繁監督が現役を引退したあと、現段階で正捕手は決まっていない。春季キャンプ、オープン戦を通じて松井雅人、杉山翔太、桂依央利、そしてルーキーの木下拓哉らで争うことになりそうだ。そんな彼らを、昨年の秋季キャンプで谷繁監督は徹底的に鍛え上げた。「正捕手を作らないことには、チームが完成しない」との思いがあるからだ。はたして、自身の後継者に指名するのは誰なのか注目したい。

 投手陣に目を向けると、昨年2ケタ勝利を挙げた大野雄大と若松駿太のふたりが先発ローテーションの軸になるのは間違いない。問題は彼らに続く投手がどこまで出てくるかどうかだ。

 現時点では、一昨年に13勝をマークした山井大介、昨年5勝のラウル・バルデス、4勝の八木智哉、ドリュー・ネイラーあたりが有力だが、いずれも確固たる地位を築いているわけではなく、これからの状況によって大きく変わってくるだろう。復活を期す吉見一起や、濱田達郎、鈴木翔太といった若手投手も競争に加わることになれば、厚みは一気に増す。

 監督専任となり、「昨年以上にチームのことが見えるようになった」と語る谷繁監督。常勝チーム復活に向けて、どう立て直していくのか。球史に残る名捕手のチームマネジメントに期待したい。


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