10連敗でも2位。今年はDeNAに風が吹いている (2ページ目)

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 同じく解説者の山﨑武司氏は「楽天との3連戦が交流戦のDeNAを象徴していた」と語る。

「楽天との3連戦は勝っている試合をすべて逆転で落としてしまった。こういう負け方は大敗するよりもダメージが大きいんです。今年のDeNAは勝っている時はイケイケでうまくいっていたけど、ちょっとでも歯車が狂ってしまうと簡単に連敗してしまう。まだチームとして築き上げた強さがないということなんです」

 交流戦の失速で思い出されるのが昨年の広島だ。貯金12、2位に3ゲーム差の首位で交流戦を迎えたが、交流戦で9勝15敗と大きく負け越して首位陥落。巨人に2.5ゲーム差をつけられ交流戦を終えた。リーグ戦再開後はなんとか5割をキープして3位を確保したが、最後まで巨人をとらえることはできなかった。

 また2006年の巨人も、交流戦前は2位に3ゲーム差をつけて首位を走っていたが、交流戦で13勝23敗と失速し、首位に4.5ゲーム差の3位まで沈んだ。その後も低迷が続き、結局、4位でシーズンを終えている。

ちなみに、交流戦最下位のチームがシーズン優勝を飾ったことは一度もなく、Aクラス入りしたのは昨年の広島と2012年のヤクルトだけ。DeNAにとっては、データ的にも厳しい数字が並ぶが、野村氏は「まだまだチャンスはある」と断言する。

「普通、10連敗するとBクラスはおろか、最下位になっていても不思議ではありません。ところが、DeNAは首位の巨人に1.5ゲーム差の2位にいる。こんなラッキーなことはありません。これが5ゲーム差ぐらい離されると選手のモチベーションも下がってくる心配がありますが、1.5ゲーム差なら大丈夫。19日からの広島戦でまずひとつ勝って、連敗を止めることが大事です」

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