巨人の独走阻止へ。セの5球団が東京ドーム以外で勝ち越す方法 (3ページ目)

  • 阿部珠樹●文 text by Abe Tamaki
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

 そしてもうひとつのポイントが守備力だ。再び与田氏が言う。

「セ・リーグは球場の狭さも影響してか、守備力よりも打撃力中心のメンバーになってしまいがちです。ジャイアンツに対しても、守り勝つイメージがあまりない。ただ、タイガースに関しては、投手陣を中心に守り勝っているイメージがあります。それがジャイアンツに勝ち越している大きな要因になっているように思えます」

 吉井氏の見解はこうだ。

「セ・パの差を考えた時に、まず浮かんだのが守備力。特にパ・リーグの外野の守備というのは目を見張るものがありました。球場の広さに関係なく、外野の守備力というのは相手打線に与える影響も大きいですが、味方投手陣にも勇気を与えます。外野の守備というのを、もう一度見直してみてもいいかもしれません」

 ジャイアンツは残り79試合で、東京ドーム以外は50近く試合ある。例えば、東京ドームで負け越したとしても、それ以外を2勝1敗のペースでいけば、少なくともジャイアンツの独走は防げる。そのためにも、パ・リーグがジャイアンツに見せた「インコース攻め」と「守備力」というのは、大きな参考になるはずだ。期せずして明日からはカープとマツダスタジアムで3連戦、29日からはスワローズと静岡で2連戦、さらに7月2日からはタイガースと甲子園で3連戦がある。カープ、スワローズ、タイガースのジャイアンツ攻略に期待したい。

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