【プロ野球】英智×小田幸平が語る「オレたちのドラゴンズ愛」 (5ページ目)

  • 石田雄太●構成 text by Ishida Yuta

小田 そっか(笑)。最初に観たのは大洋戦。1番が屋敷要。オヤジの知り合いが大洋にいたんです。で、その人にチケットを出してもらって、食堂にも入らせてもらった。そこでカレー食ったんです。そうしたら背番号31の屋敷が来て、カレーを4杯ぐらい食べてて、すげえなぁ、よく食べるなぁと思っていたら、その試合で3三振(笑)。それで、試合前にカレーは食ったらアカンなと思った(笑)。

英智 幸平、バリバリの阪神ファンだからなあ。

小田 阪神のことは何でも言えた。昔、当て馬を知らなくて、スタメンで『サード御子柴』って発表されて、『えっ、御子柴がサード守るん?』となって、阪神のことで知らないことがあったのがメチャクチャ、ショックだった。今でも阪神ファン。仕事場は巨人と中日(笑)。トヨタに乗りたいのに、ニッサンやホンダで働いているのと一緒です(笑)。

英智 オレは小学校の文集、尊敬する人のところに落合監督の名前、書いてた。当時は落合選手だけど。

小田 マジで?

英智 今中(慎二)さんのファンだったから、プロに入って今中さんを最初に見た時は、本当に緊張した。

小田 ヒデが初めてドラゴンズのみんなと会った時の話、笑ったわ。

英智 そうそう、プロに入ってすぐ、寮に入ったんだけど、寮長さんが堂上君のお父さん(元中日投手の堂上照さん)で、うわっ、堂上君のお父さん、大きいなと思ってビックリした。次にスカウトの人が来て、それが近藤(真市、当時は真一、元中日投手)さんだったんです。うわっ、この人もデカいな、と。次に会った二軍マネージャーの方が北野(勝則)さんで、風呂に入って会ったのが鳥越(裕介)さん。二人とも190センチ以上あったし、やっぱりプロでやっている人はみんなデカいんだなと圧倒されていたら、最後に室内で練習してるどデカい山本昌さんを見た。これはもう、この世界では無理だ、プロ野球でやっていくのは無理だと、本気で思いました(笑)。

小田 オレも巨人に入った時、会ったのがキヨ(清原和博)さん、松井(秀喜)さん、広澤(克己)さん、あとはマルちゃん(ドミンゴ・マルティネス)。

英智 ハハハハ。そりゃ、強烈だね。

小田 1年目から一軍のキャンプに参加させてもらったけど、あの人たちのフリーバッティングを見た時、入るところを間違えたなと(笑)。これは2年で終わりだなと。しかも、ひむか(宮崎市営球場)だったから、場外にバンバン打ってた。でも、桑田(真澄)さんがキャッチングを褒めてくれて、よし、オレの生きる道はそこやな、と覚悟を決めた。

英智 幸平、キャッチング、うまかったよな。ボール球をストライクに見せてた。ちょうどバッティングに意欲的だった時期、すごく打ちたかったのに、幸平が巨人のキャッチャーで、(高橋)尚成さんから見逃し三振を取られた。絶対にボールだと思ったのに、ストライクと言われて……おいおい、ボールだろって言おうとしたら、もういない。幸平はベンチの方に帰ってたんです。すぐにボールをピョーンって投げて(笑)。

小田 そういう時は早い、早い(笑)。

(つづく)

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