【MLB】佐々木朗希は1年間フルで戦えるか? 五十嵐亮太が考察するドジャースの「起用プラン」
五十嵐亮太が語るMLB開幕戦の見どころ(後編)
前編:「投手・大谷翔平はどう進化しているのか?」はこちら>>
3月18日に開催するドジャース対カブスのMLB開幕戦。前編に続き、後編ではドジャースの山本由伸、佐々木朗希、カブスの今永昇太、鈴木誠也の現状と今季への期待について、五十嵐亮太氏に語ってもらった。
【不安要素はすでにクリア】
── 前編では大谷翔平選手について伺いましたが、後編ではドジャース、そしてカブスの日本人選手について伺います。開幕戦はドジャース・山本由伸、カブス・今永昇太両投手が先発、翌日の第2戦はドジャース・佐々木朗希投手の先発も決定しています。まずは山本投手について、お聞かせください。
五十嵐 山本はね、本当に順調にきていると思いますよ。本人のなかでも、「何か大きなことを変えよう」というよりは、すでにベースがしっかりしているので、「そのベースの中でどう微調整しようか」という感じですね。具体的には「ちょっとスプリットの落ちが悪いかな」とか、「思ったところにコントロールができていないな」とか、「ちょっと開きが早かったよね」とか、本当に細かいところを微調整している感じ。もう修正する部分がほぼほぼない状態。すでに仕上がっている。そんな印象を受けましたね。
── 去年の結果を踏まえた2年目の変化とか、意識的に変えたこととか、あまり見受けられなかったですか?
五十嵐 渡米1年目の昨年はいろいろ試行錯誤していたけど、シーズン最終盤のワールドシリーズでもいいピッチングをしているので、その点の不安はもうないはず。ボールやマウンドにも慣れて、キャンプ地であるアリゾナの乾燥具合も把握していました。そのあたりも理解している分、思いどおりの調整ができていました。あとはキャッチャーとのコミュニケーションをしっかり取りながら配球を考えていく。すでにそのレベルに達していますよ。
── やっぱり去年と比べると、不安要素がかなりクリアされている。
五十嵐 その点は完全にクリアしていますね。彼の場合、最大の懸念事項はケガだけですよね。身体への負担を減らしながら、しっかりとリカバリーしていくこと。去年、シーズン途中に離脱しているだけに、コンディションについては細心の注意が必要になりますね。
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著者プロフィール
長谷川晶一 (はせがわ・しょういち)
1970年5月13日生まれ。早稲田大学商学部卒。出版社勤務を経て2003年にノンフィクションライターとなり、主に野球を中心に活動を続ける。05年よりプロ野球12球団すべてのファンクラブに入会し続ける、世界でただひとりの「12球団ファンクラブ評論家(R)」。主な著書に、『詰むや、詰まざるや 森・西武 vs 野村・ヤクルトの2年間 完全版』(双葉文庫)、『基本は、真っ直ぐ──石川雅規42歳の肖像』(ベースボール・マガジン社)、『いつも、気づけば神宮に 東京ヤクルトスワローズ「9つの系譜」』(集英社)、『中野ブロードウェイ物語』(亜紀書房)、『名将前夜 生涯一監督・野村克也の原点』(KADOKAWA)ほか多数。近刊は『大阪偕星学園キムチ部 素人高校生が漬物で全国制覇した成長の記録』(KADOKAWA)。日本文藝家協会会員。