大谷翔平のMVPはどの数字を見ても確実。現地メディアの関心は「満票での獲得かどうか」 (3ページ目)

  • 澤良憲●取材・文 text by Sawa Yoshinori
  • photo by NIKKAN SPORTS/AFLO

 北米スポーツメディア『ザ・スコア』は、「議論なし。大谷がMVPである理由」(10月1日)という記事でこのことを取り上げ、「大谷のfWAR8.0(当時。最終的には8.1)は、MLB選手のなかでも断トツである」と指摘。さらに、「別の数値でも大谷は他を圧倒している」とも述べられていた。それはWPA(勝利貢献度)だ。

 同記事が言及した各選手のWPAをみると、大谷は打者として5.35、投手として2.31であった。一方、ゲレーロJr.は3.36、セミエンは1.43(いずれも最終成績)。この数値に基づけば、大谷はひとりでチームに7.5勝をもたらしたことになり、貢献度は誰よりも高い。こういった数値の圧倒的な違いから、最後にこうも述べられている。

「数値の観点からも、大谷はフィールド上でもっとも価値を生み出しており、これこそMVPの『V(Valuable:価値がある)』である」(『ザ・スコア』)

 大谷の価値を「打者と投手を合わせて考えるべきだ」という、独自性を論じるメディアは他にもある。たとえば、スポーツメディア『クラッチ・ポイント』(11月10日)には、次のように述べられていた。

「ゲレーロJr.とセミエンにとって、この状況が公平であるかは疑問だが、大谷は投打両方で信じられないほどの活躍を見せた。残念だが、彼らはその活躍をひとつ(打者)でしか達成していない。大谷はその両方を可能な限り最高の形で成し遂げており、MVPを与えるかどうか、もはや議論の余地はない」

"二刀流"大谷は、投打での成績だけでなく、客観的な数値にもその優秀さが表れていることから、「大谷のMVPは確実だ」という予想を展開している。そして今では、「大谷が満票でMVPを獲得するかどうか」に争点が移っている。

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