懐疑的→最高へ。筒香嘉智への地元メディア評が一転。さらなる飛躍のカギはマズい姿を見せた守備にある (2ページ目)

  • 澤良憲●取材・文 text by Sawa Yoshinori
  • photo by Kyodo News

 地元紙『ピッツバーグ・ポスト・ガゼット』でパイレーツ番記者を務めるマイク・パーサック記者に取材をすると、筒香のパイレーツ入団について「(筒香が活躍できるかどうか)正直、懐疑的でした」と明かしている。同記者は、今は「最高の打者であることは間違いない」と評価を改めているが、当初は「以前のように苦労するのではないかという心配があった」と、正直な心境を語った。

 もちろん、最初から筒香に期待を寄せていた記者もいる。パイレーツ専門メディア『バックス・ダグアウト』のジェイク・スルボドニック記者は「正直、私は筒香が(日本時代のような)輝きをピッツバーグで取り戻せると期待していました」と述べている。

 筒香はスルボドニック記者の予想どおり、あるいはそれ以上の活躍で、パイレーツの地元メディアの印象を短期間で大きく変えた。

 また、筒香は地元スポーツメディア『DK・ピッツバーグ・スポーツ』から受けていた「速球に対応できないのでは」という懸念を見事に払拭している。

 パーサック記者は、「先日、ヨシは『速球を打つことに一生懸命取り組んだ』と言っていましたが、まさにそのとおりでした。本当に改善されていますし、それが今の成功につながっていると私は考えています」とコメント。さらにスルボドニック記者は「パイレーツが所属するナ・リーグ中地区は、レイズ(ア・リーグ東地区)やドジャース(ナ・リーグ西地区)に比べると速球の平均速度が遅く、変化球を多用する投手が多い地区ではありますが」と断りつつ、「速球に苦しむ姿はまったくない」と断言する。

 そして、彼らは、「間違いなく今季終了までパイレーツのロースターに残れる存在だ」とも評価する。そんな筒香が次に取り掛かるべき課題はライト守備への適応だ。

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