2002年7月7日。田中将大が生まれ変わった「七夕の敗戦」のこと (5ページ目)
「中学生がプロの技術を真似ることはできないが、中学生がプロの意識を持つことはできる」
「いいときは誰でも抑えられる。悪いときにどれだけ踏ん張れるかが、その選手の評価」
「状況判断をしっかり、常に視野を広く持って、アンテナを張れ」
「見て、感じる力を磨き、相手が何を狙っているのか、雰囲気を感じろ」
ここで学んだことは、のちの田中の野球人生の軸となった。
中学3年時には投手としても、強肩強打の捕手としても、見る者の目を引く選手になっていた。しかし、"超中学級"の選手では決してなかった。それが"世界の田中"にまで上り詰めたのは、日々の意識と気持ちの強さ、そして野球に対する真摯な思いがあったからだ。
その原点となったのが宝塚ボーイズであり、野球人・田中将大に決定的な影響を与えたのが15年前の今日だった。暑い、七夕の日に行なわれた一戦。あの日の敗戦によって、田中は変わった。いや、今につながる田中将大が生まれたのだ。
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