かつては松井秀喜も。MLBに見る「2番スラッガー起用」の歴史 (6ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
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 あと、2番に強打者を起用するチームの多くは、そのあとを打つ3番にホームランの打てるスラッガーがいます。カブスならクリス・ブライアントのあとのアンソニー・リゾ、ブルージェイズでいえばジョシュ・ドナルドソンのあとのホセ・バティスタ。それが「2番・強打者」という戦術を生かすことのできる条件と言えるでしょう。

 しかしながら、その流れに対抗する手段を新たに考案してくるのも、メジャーリーグの醍醐味です。ピッチャーも対策を練って「2番スラッガー」に挑んでくるでしょう。その影響なのかまだわかりませんが、一大ブームの火付け役となったエンゼルスは今年になって「3番トラウト、4番プホルス」という打順に戻しました。さまざまな要因によって打順の傾向は変化していくので、今後どのような流行が生まれてくるのか、とても楽しみです。

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プロフィール

  • 福島良一

    福島良一 (ふくしま・よしかず)

    1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima

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