【MLB】なぜ岩隈久志は急に勝ちだしたのか? (2ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by Getty Images

 しかし7月に入って、ようやく先発のチャンスが訪れます。ブレイク・ベバンという若い先発投手と、ニューヨーク・ヤンキースから獲得したヘクター・ノエシが、揃って不振によりマイナーへ降格。それに伴い、ようやく先発を任されると、7月30日のトロント・ブルージェイズ戦で8回4安打1失点と好投し、先発初勝利を挙げたのです。しかもこの試合で岩隈投手は、チームの新人記録を塗り替える13奪三振もマーク。素晴らしい快投を見せたのでした。

 その後も岩隈投手は先発として素晴らしいピッチングを続け、ローテーションもきっちり守っています。現在の成績は、24試合を投げて5勝3敗・防御率3.40。いまやマリナーズに欠かせない先発投手のひとりと言えるでしょう。

 実際、リリーフより先発のほうが、岩隈投手の成績は良いのです。開幕から14試合、リリーフで登板しましたが、そのときの防御率は4.75。それに比べ、先発10試合の防御率は2.72、さらに7月20日以降は8試合で防御率2.01と、抜群の数字を残しています。しかも投げるたびに安定感が増しており、ウェッジ監督も「ピンチでも動じず、経験に裏打ちされた素晴らしいピッチング」と大絶賛しています。

 また、日本人の先発投手は中4日の登板間隔に苦労するのですが、岩隈投手にそれは当てはまらないようです。中4日の成績は、5試合1勝1敗・防御率2.43。規則的な調整ができる先発のほうが、やはり岩隈投手には向いているのでしょう。

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