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【夏の甲子園2025】現地取材記者5人が選ぶ大会ベストナイン前編 聖地を沸かせた珠玉の名プレーヤーたち (3ページ目)

西日本短大付の4番・佐藤仁 photo by Matsuhashi Ryuki西日本短大付の4番・佐藤仁 photo by Matsuhashi Ryukiこの記事に関連する写真を見る戸田道男氏(編集者兼ライター)

投手/広瀬賢汰(尽誠学園)
捕手/横山悠(山梨学院)
一塁手/佐藤仁(西日本短大付)
二塁手/比嘉大登(沖縄尚学)
三塁手/安谷屋春空(沖縄尚学)
遊撃手/松岡翼(日大三)
外野手/横山温大(県岐阜商)
外野手/本間律輝(日大三)
外野手/藤原颯大(岡山学芸館)

 投手は、本来なら、沖縄尚学を日本一に導いた2年生左腕・末吉良丞で決まり、でよい。初戦の金足農戦の完封、3回戦・仙台育英戦の延長11回168球の熱闘など期待にたがわぬ投球を続け、まぎれもなく大会のヒーローになった。

 しかし、今大会を通してひとりだけというなら、尽誠学園・広瀬賢汰の名前を残しておきたい。初戦の東大阪大柏原戦は106球で6安打完封し、打っては5回に2点適時打。2戦目は8回に逆転を許して京都国際に敗れたが、9回を101球で投げ切り、打っては5回に逆転の2点適時打。「エース、4番、主将」の三役を任され、それを淡々とこなしきる器の大きさが印象的だった。

 今大会は、「打てる捕手」が非常に多く、捕手の選出はなかなか悩ましいところ。結局、打率.667と打ちまくった山梨学院・横山悠を選んだ。準々決勝までの3試合で打率.800と大会最高打率の更新も期待された打撃好調ぶり。準々決勝では京都国際・西村一毅から同点本塁打を放ち、打線を勢いづけた。

 一塁手も人材豊富で、数字だけならほかの選手を選んでもよいが、ここはキャラの面白さ込みで西日本短大付・佐藤仁を推す。選抜では、大会前に「調子に乗り過ぎて」(本人)一時、4番を外されたが、反省して認められ、2回戦で本塁打。父親が著名なミュージシャンでもあり、読書が趣味。こよなく愛する村上春樹のことを語りだすと止まらなかった。今夏は2回戦の聖隷クリストファー戦で8回に決勝打を放ちお立ち台にも上った。東洋大姫路に敗れた3回戦では涙に暮れたが、春夏とも明るく楽しいキャラを強く印象づけた選手だった。

 二塁手は比嘉大登、三塁手は安谷屋春空の沖縄尚学コンビ。比嘉は大会終盤から勝負強い打撃が光り、安谷屋は柔らかなグラブさばきで強烈なゴロを止める三塁守備が絶品だった。

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