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大阪桐蔭の主砲に國學院久我山の切り込み隊長が「絶対に倒す」と挑戦状。中学時代のチームメイト対決が実現 (2ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

國學院久我山高校のリードオフマン・斎藤誠賢國學院久我山高校のリードオフマン・斎藤誠賢この記事に関連する写真を見る そして、海老根も2年秋にセンターのレギュラーポジションを奪取。明治神宮大会では、打った瞬間にそれとわかる本塁打を神宮球場に叩き込んだ。

 ともに主力として迎える3年春のセンバツ。齋藤は冒頭のように、打倒・大阪桐蔭への熱い思いを吐き出したのだった。

ついに対決が実現

 それから4日後、センバツの組み合わせ抽選会が開かれた。

 勝手ながら、筆者は國學院久我山と大阪桐蔭が対決するのは厳しいと感じてしまった。互いに勝ち上がれば準決勝での対戦になる。優勝候補筆頭の大阪桐蔭はまだしも、11年ぶりの出場でセンバツ未勝利の國學院久我山が準決勝に勝ち上がる可能性はお世辞にも高いとは言えなかった。

 だが、國學院久我山は驚くべき快進撃を見せる。課題とされた投手陣が奮起し、3投手が持ち味を発揮。打線も大技・小技を駆使して得点を奪った。有田工、高知、星稜と強敵を立て続けに破り、見事ベスト4に進出した。

 齋藤は星稜との準々決勝で追撃のタイムリーヒットを放つなど、2安打1打点と活躍。國學院久我山の試合後、大阪桐蔭の準々決勝が始まっていた。「海老根選手との対決が実現すると仮定して、意気込みを聞かせてください」と聞くと、齋藤の口からは威勢のいい言葉が飛び出した。

「自分は『優大を甲子園で倒すぞ』と前から言っていたので、それを実現したいです」

 さらに、自分のどんな進化を海老根に見せつけたいかと聞くと、齋藤はこう答えた。

「中学からずっと細かったんですけど、『高校ではちょっとガッチリしたぞ』というところと、『打球の質も上がっているぞ』というところです。センターにいる優大のところへ打ち返してやりたいです」

 その会見から約2時間後、大阪桐蔭は大会タイ記録となる1試合6本塁打の猛打を浴びせ、市和歌山に17対0と圧勝。海老根も高校通算4号となる本塁打を放つなど、3安打2打点と勝利に貢献した。

 海老根はしきりに「自分たちは長打を打てる選手が少ない」と口にした。中学野球のスーパースターにしては、意外なコメントに思えた。どうしてそんな心境に至ったのかを聞いてみると、海老根は淀みない口調でこう答えた。

「1学年上の先輩方がすばらしい選手ばかりだったんですけど、自分たちの代は先輩を押しのけて出場する選手が少なかったので。だから、そういう心境になったのだと思います」

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