注目のデータから読み解くセンバツ大会の行方。上位進出校、ダークホースはここだ! (3ページ目)

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka
  • photo by Taguchi Yukihito

 花巻東は1年生時だけで50本の本塁打を量産した佐々木次第。今大会で最大の目玉選手のため、佐々木が打てばメディアや観客は盛り上がり、打てなければがっかりする。軟投派で継投する投手陣はK/BBが32校中18位とやや弱いだけに、佐々木の成績が勝敗に直結することが予想される。その佐々木は両肩の胸郭出口症候群のため昨年12月に手術。本番までにどこまで調整できるか。

 広陵は1年夏からクリーンアップに座り、中井哲之監督に"ボンズ"と呼ばれるスラッガー・真鍋慧、上級生の意地を見せる内海優太ら能力の高い選手が揃う。投手陣も県大会の背番号20からエースに上り詰めた森山陽一朗、神宮大会で146キロをマークした松林幸紀、左腕の内海とコマは豊富。秋に日本一を逃した悔しさが春の原動力となるか。

 3季連続の甲子園となる京都国際はプロ注目の左腕・森下瑠大ら昨夏4強入りした時のレギュラーが5人残る。どこよりも甲子園経験豊富なのが強みだ。上位進出へカギを握るのが二番手で140キロ台中盤の速球を投げる平野順大。昨年は春夏ともに平野が登板した試合で敗戦。小牧憲継監督から「おまえのせいだ」とハッパをかけられ続けてきただけに、その悔しさを甲子園で晴らせるか。

ダークホースはここだ!

 また、10試合で14本塁打をマークした強力打線が自慢の関東王者・明秀日立もポテンシャルはある。中学時代U15日本代表の佐藤光成、ソフトバンク・小久保裕紀二軍監督のおい・小久保快栄、投手ながら打力のある猪俣駿太、身体能力抜群の石川ケニーが並ぶ打線はBB/K=0.98と選球眼に課題を残すが、爆発すれば手におえない。昨秋はエース・猪俣頼みだっただけに、肩痛で登板ゼロに終わった左腕の石川が助けられるか。
 
 個人では、昨夏の県大会で148キロをマークした市和歌山・米田天翼(つばさ)、離島の大島を甲子園に導いた大野稼頭央の投球に注目。昨春も甲子園を経験した米田は準優勝した明豊戦に先発。4回1失点も敗れているだけにリベンジを誓う。140キロ台中盤の速球を投げる大野は89回で98三振を奪った左腕。初戦で対戦する強打の明秀日立に緩急を使って投げられるか。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る