甲子園で球児たちに聞いた「白スパイク」の効果。32校中14校が導入 (2ページ目)

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 導入初年度の今年から来年は移行時期と位置づけられ、チーム内で黒スパイク選手と白スパイク選手が混在してもいいことになっている。甲子園出場チームは全員統一しているが、独自大会では混在のチームがあった。

 甲子園で明徳義塾や天理、大阪桐蔭といった名門校が使用したことで、今後、白スパイクを履く選手、チームが徐々に増えていく可能性はある。

 また、白スパイクをきっかけにほかの道具にも変化が表れている。今大会、明豊は白スパイクにしただけでなく、攻撃時のヘルメット、捕手用のヘルメットもこれまでの濃紺から白に変更した。

 じつは、これについても黒と白の温度の違いについて、あるメーカーの調査結果が出ている。

ヘルメット/マイナス3度
帽子/マイナス4度
アンダーシャツ/マイナス1度

 今夏から白のキャッチャー用のヘルメットを使用した明豊の賀来竜馬は言う。

「これまでは頭が熱くなることがあり、そうなると集中できない。白になってから熱さはなくなりました」

 青森の独自大会で白のキャッチャー用ヘルメットを使用した弘前学院聖愛の松平翔もこのように語っていた。

「触っても熱くないですし、これまで(濃紺)は被っていて、湿気がたまるというか、『暑いなぁ』とボーッといた感じになることもあったんですけど、それがなくなりました。熱中症を気にせずにプレーできました」

 ヘルメット以外も、やはり色による影響は大きい。岩手・久慈高の柴田護監督は、軽米高の監督時は青の帽子、アンダーシャツだったが、前任の盛岡三高ではユニフォーム、アンダーシャツ、帽子すべてが白。久慈高に来て、白の帽子、エンジのアンダーシャツのユニフォームに袖を通した。

「(盛岡)三高で白のアンダーシャツに慣れていたので、久慈でエンジのアンダーシャツを着たときはびっくりするぐらい暑さを感じました」

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