43年前との奇妙な縁。智弁和歌山「名将」のバトンは受け継がれるか (4ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

「甲子園のネット裏から智弁和歌山の試合を見るというのは、変な感じやね。自分が教えとった選手もたくさん出とるし、負けとったりしたら『おいっ、負けたら帰ってダッシュ100本や!』ってベンチに言いに行きたくなるんとちゃうかな(笑)」

 高校野球ファンとすれば、高嶋の解説で智弁和歌山の戦いを見たいところだが、放送局には「OBや関係者は該当チームの解説を担当しない」という一定の基準がある。

「だから試合の時は、ネット裏の関係者席とかで普通に見ていると思います。ただ、決勝まで行ったらそれは関係ないらしい」

 そこで決勝の予定を尋ねると、解説の予定が入っていると言う。そういう楽しみもあるが、まずは初戦だ。高嶋が見つめる前で、新生・智弁和歌山はどんな戦いを見せてくれるのだろうか。運命の1日から新たな一歩が始まる。

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る