スカウトが電話でつぶやいた「ドラフト1位指名される12人」の名前 (4ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tamigami Shiro
  • 田口有史●写真 photo by Taguchi Yukihito

 清宮と同じ高校生野手では、安田尚憲(履正社)と中村奨成(広陵)のふたりだ。安田に関しては、こう評する。

「サードの守備はプロでギリギリなんとか......という感じですが、バッティングは確実に上がっています。まだまだ可能性を秘めていますし、楽しみな選手であるのは間違いありません。ただ現状では、清宮くんの方がレベルは上かなといったところです」

 そして甲子園で一気に評価を上げた中村についてはこうだ。

「U-18ではほとんどマスクをかぶれず、バッティングの調子も上がらなかった。いろんな意味で弱さが出たと思います。とはいっても、甲子園で見せたバッティングと強肩は本物ですし、なにより地元の広島が彼をどう評価するのか......ですよね」

 清宮には及ばなくても、同世代では抜けた力を持っていることは確か。あとは、プロに入ってから成長力、そして対応力をどこまで発揮できるか。そのあたりを、各球団がどう評価するのか注目したい。

 また、高校生投手として唯一、1位候補に名前が挙がったのが石川翔(青藍泰斗)だ。全国的には無名の本格派右腕だが、スカウトは「素質は一級品」と断言する。

「魅力ある投手なのは間違いありません。ただ、股関節や肩など、故障がちょくちょく出てしまうのが不安です。1位で指名するような選手は、やはり『これは間違いない』と、自信を持っていきたいですから。故障歴というのは、各球団とも気になるんじゃないでしょうか」

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