早実・清宮幸太郎のセンバツ出場を阻む、都内のライバル投手たち

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 ──清宮を止める投手は誰か?

 10月8日から高校野球の秋季東京都大会が開幕する。一次予選を勝ち抜いた64校が、来春センバツ出場の選考対象となるトーナメントを戦う。東京都のセンバツ出場枠は毎年1〜2校あるため、今大会で優勝すればセンバツ出場は確実になる。

今夏、甲子園初出場の立役者となった八王子の早乙女大輝今夏、甲子園初出場の立役者となった八王子の早乙女大輝 今大会の大きな見どころは、何といっても清宮幸太郎を擁する早稲田実がどこまで勝ち上がるかだろう。最上級生になった清宮は、秋からチームの主将に就任した。現時点ですでに高校通算71本塁打をマーク。入学当初、報道陣の前で「80本くらいは打ちたい」と語っていた本数を軽々と超えそうなペースでアーチを量産している。

 2017年のドラフト候補のなかには楽しみな野手の逸材が多いのだが、清宮はその筆頭格。スター性と実力を兼ね備えた「ドラフトの目玉」になる可能性がある。そんな清宮を抑え込むような好投手が、東京都内にいるのだろうか。都大会に駒を進めたチームのなかからピックアップしてみよう。

 今夏、西東京大会準々決勝で早実を破ったのは、伏兵・八王子だった。勢いに乗って甲子園に初出場した八王子だが、原動力になった二枚看板は2年生。当然、新チームでも活躍が期待される。

 左腕エースの早乙女大輝は、身長171センチの小柄な体型に凄みのないボールから、一見平凡に見える投手だ。だが、打者の手元で伸びてくる好球質のストレートに加え、変化球で簡単にストライクを取るなどコントロールもいい。そこへ、甲子園から帰ってきてから常時120キロ台だったスピードが増してきている。

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