夏の甲子園は藤平、寺島、高橋昂の「ビッグ3」以外も好投手だらけ (3ページ目)

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 打線はプロ注目の捕手・九鬼隆平を中心にチーム打率・405と強力なだけに、投手陣のやりくりがうまくいけば春に逃した大旗が見えてくる。

 4強に続くのが東邦(愛知)。最速146キロの速球に加えて一級品のカットボールを持つエース右腕・藤嶋健人、140キロ台中盤の速球に鋭いスライダーを持つ左腕・松山仁彦と左右の二枚看板が強力。伝統の強打は愛知大会で4番の藤嶋が打率.077とふるわず、チーム打率.286と低調だったが、9番・鈴木理央の2本をはじめ5人の打者が本塁打を記録しているように力はある。上位進出には藤嶋の打棒復活が必須だ。

 春の関東大会決勝で横浜を破って優勝した前橋育英(群馬)も力がある。群馬大会はエースの佐藤優人がほぼひとりで投げたが、最速144キロの2年生右腕・吉沢悠や春の関東大会で関東一(東東京)を7回1安打完封した皆川喬涼ら力のある投手が控える。4番の小川龍成を筆頭にどこからでも本塁打が出る打線は群馬大会では力を発揮できなかったが、決勝の健大高崎戦では相手のお株を奪う5盗塁をマーク。走者が盗塁のふりをする偽走も取り入れるなど、打撃不振でかえって攻撃の幅が広がった。初出場初優勝した前回の再現を狙う。

 この他にも、今大会は好投手が揃った。特に注目度が高いのは4人の左腕。常総学院(茨城)の鈴木昭汰、木更津総合(千葉)の早川隆久、広島新庄(広島)の堀瑞輝、高川学園(山口)の山野太一だ。

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