2014年ドラフトの主役がいっぱい。実力派揃いの大学生たち

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

2014年注目のアスリートたち(1)

「ふたりの高校生と、あとは大学生」

 今年のドラフトを占うと、今のところ、こういう表現がしっくりくるのではないだろうか。

昨秋のリーグ戦で防御率0点台をマークした早稲田大の有原航平。昨秋のリーグ戦で防御率0点台をマークした早稲田大の有原航平。

「ふたりの高校」とは――つまり、157キロ右腕の安樂智大(済美高/右投左打)と、昨夏の甲子園優勝投手の高橋光成(前橋育英高/右投右打)だ。だが、ネームバリューではこの高校生ふたりに劣るかもしれないが、今年の大学生は実力派が揃い、スカウトたちも熱視線を送っている。

 なかでも注目は投手陣。早稲田大のエース・有原航平(広陵高/右投右打)のこの1年間の成長は素晴らしい。昨秋の東京六大学リーグ戦では、およそ50イニングで自責点はわずかに4。防御率0.72という抜群の成績を残した。この数字を支えたのは、150キロを超す球威もさることながら、四死球7の制球力だろう。

 昨秋リーグ戦の最速は156キロ。もともとスピードには定評のある有原だったが、昨年の秋は力まずに投げているのに"数字"が出ていたのだ。7割の力で腕を振っても、コンスタントに140キロ後半から150キロ前半をマーク。リリースの瞬間に全身の力を爆発させる"何か"を掴んだに違いない。コントロールにブレがなくなったのが、その証拠だ。

 フォークでも空振りが取れるが、カットボールとツーシームで確実にバットの芯を外す。万全の体調を維持できれば、今年も難攻不落の"負けない投手"として活躍するのは間違いないだろう。

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