【新車のツボ166】ダイハツ・ロッキー。5ナンバーのカッコエエやつ
ダイハツ・ロッキー(と兄弟車のトヨタ・ライズ)が発売されるまで、5ナンバーサイズのSUVはスズキの独壇場だった。
ここでいう"5ナンバー"とは道路運送車両法で小型自動車に区分される乗用車のことだ。「全長4.70m以下、全幅1.70m以下、全高2.00m以下、排気量2.00L以下」という小型自動車の要件に合致する乗用車は、ナンバープレートの地名に隣接する数字の1ケタ目が"5"となり、一般的に5ナンバー車などと呼ばれる。この要件のうちひとつが1mmあるいは1ccでも超過した時点で、即座に上級の普通乗用車(3ナンバー)になる。
この区分は、約60年も前に日本独自で定められた古い規格なので、現代の目で見ると、安全性や商品性など"全幅1.70m以下"という部分が物理的にキツくなっているのは事実。日本車でも海外向け商品だと、全幅が5ナンバーにおさまるものはごくわずか。まして国際商品の場合が多いSUVは国産でも5ナンバー車は数えるほど......というか、ズバリ3台しかなかった。それはすべてスズキ車であり、具体的にはジムニーシエラ(第150回参照)にクロスビー(第146回参照)、そしてイグニスの3台である。
昭和時代はあからさまに高額な自動車税が課せられていた3ナンバー車は、当時はまさしく贅沢品だった。その時代の道路や駐車場は5ナンバー前提でつくられており、それは日本全国に今も多く残る。それゆえ、日本では今でも5ナンバー車に根強い支持があるのだ。
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