【新車のツボ146】スズキ・クロスビー 、貴重な世界最小級SUV

  • 佐野弘宗●取材・文・写真 text&photo by Sano Hiromune

 クロスビーのそもそもの着想は、見たまんま......である。ある意味で安易な発想(!)であることはスズキ自身も認めるところで、これはつまり"ハスラーの白ナンバー小型車版"にほかならない。ハスラー(第72回参照)といえばスズキが製造販売する軽自動車(以下、軽)で、発売から4年が経過した現在でも、軽販売ランキングでトップ10圏内をキープする定番人気商品だ。

 写真で見るクロスビーは、ちょっと大きいハスラー以外のナニモノでもない。一見すると前後タイヤ間の距離(ホイールベース)もハスラーと同じっぽいので、このクロスビーも以前からある"軽の拡幅商品"の一例だと錯覚する向きも多いはずである。

 ここでいう軽の拡幅商品とは、一時期のスズキが得意にしていた商品開発手法のひとつで、それは軽ボディの全幅だけを広げ(て、そこに1.0〜1.5リッター程度の4気筒エンジンを搭載す)る......という単純明快なクルマづくりによるものだ。たとえばワゴンRの拡幅版として1999年に発売されたワゴンRワイドや、当時のKeiを拡幅して2000〜06年に販売された初代スイフトがその代表である。

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