【新車のツボ117】
ミニ・クラブマン試乗レポート

  • 佐野弘宗+Sano Hiromune+●取材・文・写真 text&photo by

 英国の"ミニ"を買収したBMWが、自社製の新しいミニを発売したのは2001年のこと。当時のミニは数あるコンパクトカーのなかでもサイズは小さめ。ボディ形式も3ドアのみで、一応は4人乗りだが後席はせまかった。なのに、価格はちょっと高め。いかにも個性的なデザインのキャラクターカーで、各部のクオリティも高級仕立てだった。

 BMWは当初、ミニを"ほしい人だけ買えばいいニッチ商品"と位置づけていた。追加されたバリエーションもオープンカーだったり、荷物が入りそうで入らない変則ワゴンスタイルだったり......と、あくまで"オシャレ最優先"の姿勢が徹底されていたのだ。

  
 そんなミニは、世界中でBMWの予想を超える大ヒット。ご承知のように、日本でもミニは全国津々浦々で見かけるフツーの存在となり、今やもっともポピュラーな輸入車の1台といっていい。

 そうやって乗る人が増えるほど、家族を乗せたい、キャンプにいきたい......と、いろんな要望が出てくるのがクルマという商品の宿命である。ただ、ミニはもともと小さくてちょっと不便なのがオシャレであり、そういう厳格なブランドコントロールによるオシャレさが、ミニの大きなツボでもある。

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