【新車のツボ76】ルノー・ルーテシア試乗レポート (2ページ目)

  • 佐野弘宗+Sano Hiromune+●取材・文・写真 text&photo by

 しかし、新しい4代目ルーテシアはまさにそこにメスが入った。スタイリングはご覧のように、どこぞのスーパーカーのようにヒネリとウネリが効いた曲面デザインである。なかでもウエストがキュッと締まったサイドビューが目をひくが、実際にそんなに深く引き絞ってあるわけではなく、表面のウネリと下の弧を描くラインによるもの。人間の目の錯覚を利用したデザインがなんとも名人芸......って感じなのも、またツボである。インテリアも流行のタブレット端末みたいな液晶パネルが中央に鎮座して、いかにも今っぽい。

 新型ルーテシアを仕上げたデザイン部門の現リーダーは、オランダ人のローレンス・ヴァン・デン・アッカーという人物。彼はルノーに来る前の2006年から09年まで日本のマツダに在籍して、グローバルデザイン本部長としてコンセプトカーをバンバンつくった。そのときに彼が手がけたコンセプトカーは、現在絶好調に売れている新世代マツダ車デザインの源流となった。才能はハンパない。

 また、新型ルーテシアはパワートレーンも一気に最新鋭になった。エンジンは1.2リッターという小排気量ながら、そこにターボをつけて従来の1.6~1.8リッター級の性能を発揮する。つまり、今をときめく"ダウンサイジングターボ"だ。トランスミッションも「いま最もイケてるオートマ」との呼び声高いツインクラッチ方式。実際の新型ルーテシアは、低速から高速まで扱いやすく、1.2リッターとは思えないほど力強く、ツインクラッチとしては快適で滑らかだ。排気量が小さいので自動車税もお得、燃費もそこそこ優秀......と、最新基準で見てもデキは文句なし。

 デザインは素直にカッコいい最新モード。エンジンもオートマも最新鋭。しかも昔から定評の操縦性や居住性は健在......の新型ルーテシアは、もはやマジで死角がなくなった。これは日本のあらゆる方々に、なんの言い訳も前提条件もなく、もろ手をあげて堂々とオススメできる初めてのルノーなんである!

 身銭を切ってフランス車に乗りはじめて15年、そのうちルノー歴は9年......のワタシは、いま感涙にむせている!

【スペック】
ルノー・ルーテシア・インテンス
全長×全幅×全高:4095×1750×1445mm
ホイールベース:2600mm
車両重量:1210kg
エンジン:直列4気筒DOHCターボ・1197cc
最高出力:120ps/4900rpm
最大トルク:190Nm/2000rpm
変速機:6AT
JC08モード燃費:-km/L
乗車定員:5名
車両本体価格:244.8万円

2 / 2

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る