2013.01.16

【新車のツボ47】
VWゴルフ 試乗レポート

  • 佐野弘宗+Sano Hiromune+●取材・文・写真 text&photo by

 昨年2012の輸入車販売のモデル別トップは、統計開始以来25年連続(!)でフォルクスワーゲン(VW)のゴルフだった。ゴルフはモデルチェンジがあろうが、モデル末期だろうが、日本でいちばん売れる輸入車である。で、いま日本で買える6代目ゴルフもまた、モデル末期も末期、最末期。ドイツ本国ではすでに新しい7代目ゴルフが出ていて、日本でも今年夏ごろに発売予定だ。

 すでにヨーロッパで試乗した同業者に聞くと、新型ゴルフのデキは素晴らしいらしい。ボディが大きくなったのに車重は軽くなり、内外装は高級感にあふれるそうな。車高も低くなってカッチョよく、運転席を取り囲むようにデザインされたインテリアはまるで高級スポーツカー。走りもピタッと路面に張りついてスイスイで、定評ある燃費までさらに向上。しかも、価格もほぼ据え置き......というから、昨今の為替を考えると、日本では値下げもありえる。というわけで「ゴルフがほしいやつは夏まで待て!」が、現時点での日本のクルマ好きの常識となりそうだ。

 しかし......である。私は、そんな最末期の6代目ゴルフに乗る機会があった。そして、もうナミダがちょちょぎれるくらいに感動した。どこぞの食パンではないが、これぞ超熟の味。このゴルフは6代目に数えられるが、実際には2004年発売の5代目から基本設計そのままの改良版。つまり、じつに8年間も地道に改良されて熟成されきった最終形といえる。

 ゴルフはとにかく運転しやすい。それは単純に視界がいいとか、小回りがきく......という表層的な意味にとどまらない。スピードや場面を問わずに、とにかく思ったとおりにピタリと走るところにある。

 こうして言葉にすると「そんなの当たり前」と思うかもしれない。だが、その当たり前をとんでもなく高いレベルで達成しているゴルフに乗ると、世間一般のクルマが、いかに当たり前ができていないかがよくわかる。