宮里藍に宮司愛海が聞く。渋野、古江、笹生ら女子ゴルフ界の今 (2ページ目)

  • 佐野隆●写真 photo by Sano Takashi

宮司 どういうところですか?

宮里 私が現役で一緒にやっていたときは、ドライバーを一生懸命振って、攻めて、攻めて......という印象だったんですけど、そういう粗い部分が少し取れて、一歩上に進んだ感じです。安定感が出てきて、オリンピックの代表に一番近い選手だと思います。そうなると、確かにもうひとりの争いは熾烈ですね。

宮司 2019年は渋野日向子選手の活躍が注目されましたが、2020年はさらに下の世代の活躍にも目覚ましいものがありました。各世代がしのぎを削って、どんどんレベルが上がっている印象がありますが、宮里さんから見て、いかがですか?

宮里 2019年の渋野選手の活躍が刺激になったことは間違いないと思います。渋野選手が全英女子オープンを勝ったあと、同世代の選手に化学反応が起きたというか。「私もできる!」と思えることは、その選手の可能性を広げる一番の薬になりますからね。身近な選手が活躍すればするほど、周りの選手にとってはプラスの影響にしかならない。渋野選手の活躍をきっかけに、今は本当に若手の層が厚くなっていると思います。

宮司 2020年で言えば、古江彩佳選手が著しい成長を見せました。宮里さんから見て、古江選手のいいところはどんなところですか?

宮里 画面上で見る限りですが、縦の距離の合わせ方はピカイチだなという印象があります。技術的な話をすると、小柄なのにインパクトゾーンが長いので、ボールがクラブに乗っている時間が長い。その分、コントロール率が高くなるというか。

宮司 なるほど。

宮里 背が高い選手はクラブの軌道が鋭角に入ってくるので、ボールを切ってスピンがかけやすくなるんですけど、体が小さいとその角度がちょっと緩くなる。それだけ(ボールに対してクラブを)縦に入れにくくなって、スピンをかけるのが難しくなることがあるんですけど、そういうことをあまり感じさせませんね。

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