上村アナがパラカヌー・瀬立モニカのすごさを実感。驚異の筋力と緻密さ

  • photo by Yamamoto Raita

  

■TBSの上村彩子(かみむら・さえこ)アナウンサーが現場で取材した大会でのエピソードや舞台裏、インタビューしたアスリートの魅力や意外な一面などを伝えてくれるこの連載。今回は、東京パラリンピック・カヌー競技に出場を予定している瀬立(せりゅう)モニカ選手(23歳)にフォーカス。瀬立選手の「パラカヌー」にかける思いや、ハンディキャップを感じさせないスピードの背景に迫ります。

スポーツ番組でパラカヌー瀬立モニカ選手に取材した上村彩子アナウンサースポーツ番組でパラカヌー瀬立モニカ選手に取材した上村彩子アナウンサー 先日、『S☆1』の取材で、パラカヌー日本代表の瀬立モニカ選手の練習場に伺い、インタビューをしてきました。

 パラリンピックの正式競技となっているパラカヌーは、200mの直線コースのタイムを競うスポーツです。種目は、両端にブレード(水かき)がついたパドルを使ってこぐ「カヤック」と、横に浮き具をつけた艇(ふね)で行なう「ヴァー」があります。瀬立選手はカヤックに取り組んでいて、障害の程度が最も重いクラス「L1」(※みぞおちから下が動かせない)でレースに出場しています。

 瀬立選手はカヌーが盛んな東京・江東区出身。小さい時からスポーツが大好きで、バスケットボールや水泳、テニス、サッカー、陸上などたくさんのスポーツに触れてきました。中学時代からはじめたカヌーは、水上での感覚やバランスを取る難しさを「簡単にできないスポーツ」と魅力的に感じ、2013年の東京国体を目指すようになりました。

 しかし、高校1年生のとき、国体選考会前に体育の授業でケガをしてしまい、車いす生活を余儀なくされました。病院のベッドでオリンピック・パラリンピックの東京開催が決まった「TOKYO」の瞬間をテレビで見ていたのですが、まだまだその時は自分に起こったことが受け止めきれず、気持ちを保つことに精一杯の時。自分には全く関係のないことだと思ったそうです。

 退院しケガから1年ほど経った時、カヌー協会の事務局の方から「パラカヌーで世界を目指しませんか?」と声がかかりましたが、経験がある競技だからこそ難しさをわかっていた瀬立選手は、断り続けたそうです。母・キヌ子さんが「やってみたら?」と声をかけた際にも、瀬立選手は「何言ってるの!」と、声を荒げたこともあったといいます。

来年の東京パラリンピック出場予定の瀬立モニカ選手来年の東京パラリンピック出場予定の瀬立モニカ選手

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