ソチでもスマイル!女子アイスホッケーの「チーム力」 (3ページ目)
前回出場した長野大会は、開催国枠での出場だったため、予選を自力で突破しての出場は今回が初。見事ソチ五輪出場を決めたスマイルジャパン(世界ランキング10位)は、昨年11月の5カ国対抗戦では、世界ランキング上位のチェコ(9位)、スロバキア(8位)、スイス(5位)、ドイツ(7位)と対戦。チェコに4-5、ドイツに1-3で敗れましたが、スロバキアに6-0、スイスには2-0で勝利して2勝2敗と、格上相手でも十分戦える力があることを証明しました。
代表選手発表会で笑顔を見せる選手たち。左から近藤陽子、久保英恵、鈴木世奈、大澤ちほphoto by AFLO SPORT スマイルジャパンのメンバーで私がとくに注目しているのは、キャプテンの大澤ちほ選手と久保英恵選手です。
22歳の若さでキャプテンを務める大澤選手ですが、チーム全員の投票でキャプテンに決まったということからも、チームメイト全員から信頼されていることがわかります。
大澤選手は、インタビューで「上は34歳から下は高校生までいて年齢が幅広い。自分はその真ん中ぐらいの年齢なので、どちらともコミュニケーションを取りやすいですから」と話されていたとおり、練習中、チームのつなぎ役として全員と積極的にコミュニケーションをとっていました。飯塚監督も「最初は自分のことで精一杯な様子でしたが、今は周りのことが見えていて頼もしい」と、大澤選手に全幅の信頼をよせています。
また、最終予選で大会MVPを獲得する活躍を見せた久保選手は、実はバンクーバー五輪の予選後、一度引退をしています。しかし、その後の日本代表チームに「活気が感じられなかった」ため、「自分が若い選手の刺激になれればと思い復帰を決めた」といいます。
そこで、久保選手に「今のチームを見てどう感じますか?」と聞いたところ、「これまでは勝ちに対する意識をみんな持っていなかった。ひとりひとりが他人任せになっていた……。それが今は、みんながそれぞれ責任感を持って、同じ方向を向いて、勝ちたいと心の底から思っている。すごくまとまりのあるチームになった」と成長を実感している様子でした。
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