山﨑武司がセンバツ10人の強打者を評価。特に「ベタ惚れ」なのは? (3ページ目)
■根尾昂(あきら/大阪桐蔭/177cm・78kg/右投左打/投手・遊撃手・外野手)彼の2年時から言っていることですが、上位指名は間違いありません。個人的には投手ではなく、野手としてやってほしいですね。ただ力があるだけでなく器用さもありますし、間違いなく野手に向いています。中学時代にアルペンスキーで日本一になったそうですが、体のバランスがいいから強くスイングできます。ただ、高い次元で見ると、上半身と下半身の連動という部分に今後の課題を感じます。腰の動き方に対して上半身が合わないときがありますからね。上と下の動きがうまくかみ合うようになれば、すぐにプロでも活躍できますよ。photo by Ohtomo Yoshiyuki記事を読む>山﨑武司がセンバツ10人の強打者を評価。特に「ベタ惚れ」なのは? ■藤原恭大(きょうた/大阪桐蔭/181cm・78kg/左投左打/外野手)大阪桐蔭らしく大きくフォロースルーが取れますし、上半身の使い方がとてもうまいですね。下半身をどっしりと構えて、あまり体重移動をせずに、どちらかと言うと上半身で捉える。足も速いですし、とても素晴らしい素材だと感じます。今後に向けてのポイントは、「遊び」。下半身をどしっと固めて、手もあまり動かさない打ち方なので、柔らかさがあまりないのが気になります。どこかで動きに遊びを作ってあげることで柔らかく打てるようになり、変化球に対しても強く対応できるようになるはずです。photo by Ohtomo Yoshiyuki記事を読む>山﨑武司がセンバツ10人の強打者を評価。特に「ベタ惚れ」なのは? ■山田健太(大阪桐蔭/183cm・83kg/右投右打/二塁手)右の強打者らしく、パワーを感じる打者です。右中間方向に強い打球を飛ばせる打ち方をしています。少し気になるのは、ややクロスステップするので、投球と衝突するような打ち方になることですね。構えからピッチャー方向に背番号が見えるのですが、左肩が入り過ぎた状態のまま、真っすぐに戻らずにステップしてしまう。上のレベルではインコースが狭く感じてしまうはずです。このステップと、藤原くんと同様に上体の遊びを作ってあげること。それができれば、さまざまな攻め方にも対応できる打者になるはずです。photo by Ohtomo Yoshiyuki記事を読む>山﨑武司がセンバツ10人の強打者を評価。特に「ベタ惚れ」なのは? ■林晃汰(智辯和歌山/181cm・88kg/右投左打/三塁手)強く振ること、遠くに飛ばすことに関して、天性の力を持った打者だなと感じます。インパクトで左手首を返して逆方向(レフト方向)にもホームランを打ってみせるように、腕を上手に使える選手ですね。ただ、体全部を大きく使ってタイミングを取るタイプですが、上の世界ではここまで大きなアクションでタイミングを取らせてもらえません。足も腰も腕も、全部の動きが大きいので、レベルの高いクイックモーションやキレのある速球に対応できなくなる恐れがあります。どこかの部位でタイミングのポイントを絞れるようになるといいですね。photo by Ohtomo Yoshiyuki記事を読む>山﨑武司がセンバツ10人の強打者を評価。特に「ベタ惚れ」なのは? ■増田陸(明秀学園日立/178cm・80kg/右投右打/遊撃手)この選手を初めて見ましたが、非常に面白いですね! 体は細身に見えるのに、バットを強く振れますし、長打も打てる。新庄剛志(元日本ハムほか)とイメージが重なります。この選手のポイントは、タイミングを合わせるのが上手ということ。足を高く上げて、フォロースルーの大きなスイングができますが、下半身と上半身をバランスよく連動させるのがとてもうまい。安定してボールを見られますから、選球眼もいい。決してホームランバッターではありませんが、走攻守そろった選手として僕のイチオシですね。photo by Ohtomo Yoshiyuki記事を読む>山﨑武司がセンバツ10人の強打者を評価。特に「ベタ惚れ」なのは? ■森下翔太(東海大相模/80cm・77kg/右投右打/外野手)高打率を残せそうな打撃をする選手ですね。投手に向かって真っすぐステップできるから外のボールをしっかり見逃せるし、上半身のブレが少なくて、腰を早く開くこともありません。ただ、気になるのは右手の使い方。やや左手にかぶせるような握り方で、スイングにしなりが出にくいんです。最近は「後ろ手で押し込む」という打撃理論をよく聞くようになりましたが、「押す」より「返す」ほうがバットがよく走るんです。左手主導の打撃ができるようになれば、上の世界でも通用するでしょう。photo by Ohtomo Yoshiyuki記事を読む>山﨑武司がセンバツ10人の強打者を評価。特に「ベタ惚れ」なのは? ■小幡竜平(延岡学園/180cm・73kg/右投左打/遊撃手)長打力というよりは、バットコントロールのうまいアベレージヒッタータイプですね。ハンドリングが上手で、ヒジを畳んでうまく捉えられる。高校生にはないうまさを持っています。ただ、より上の世界を見据えるなら、スイングに「強さ」がほしいところですね。うまさはあるだけに応用力で結果が残せてしまいますが、高校生の時点で身につけたいのは、しっかりと振れるようになること。強く、飛ばすスイングを磨いておけば、上の世界で高い応用力がさらに生きてくるはずです。photo by Ohtomo Yoshiyuki記事を読む>山﨑武司がセンバツ10人の強打者を評価。特に「ベタ惚れ」なのは? ■門叶直己(とがの・なおき/瀬戸内/183cm・90kg/右投右打/外野手)昨秋の中国大会で1試合4本塁打を放った右のスラッガーと聞きましたが、たしかに体に力があることを感じます。とくに甘いインコースにツボがある打者なんでしょうね。気になったのは、タイミングの取り方です。テークバックでグリップを捕手側に一度引いて、そのまま打ちにいくならいいのですが、そこから再び引く「二度引き」をするのでミスショットが多くなる。また、右手が強いからボールを引きつけて待てる長所があるものの、右手が出るタイミングで左腰が折れてしまうので外のボールをさばくことが難しいでしょう。体の使い方にこだわってみてほしいですね。photo by Ohtomo Yoshiyuki記事を読む>山﨑武司がセンバツ10人の強打者を評価。特に「ベタ惚れ」なのは? ■上田優弥(日本航空石川/186cm・97kg/左投左打/外野手)体は大きいですが、バットコントロールもいいし、バッティングの形も悪くありません。彼に求めたいのは「体のキレ」ですね。体にキレがない分、腕力に頼ったスイングをしているのでスイングが思いのほか走っていません。力任せのスイングをする打者は好不調の波が激しくなってしまいます。プロの強打者には、バットに当たる瞬間のスピードがあります。このスピードを出せるように、上の舞台では動きの質を追求してもらいたいです。photo by Ohtomo Yoshiyuki記事を読む>山﨑武司がセンバツ10人の強打者を評価。特に「ベタ惚れ」なのは? ■谷合悠斗(たにあい・ゆうと/明徳義塾/178cm・85kg/右投右打/外野手)センバツでは、初戦の中央学院戦で逆転サヨナラホームランを打った右打者ですね。体に厚みはあるし、強打者としての雰囲気を持っています。ただ、そのわりにスイングに力感を感じないのが引っかかります。打ちにいく際に重心がホームベースに寄って、前さばきでスイングする。サヨナラホームランもこの形でした。この打ち方だとインコースに詰まってしまいます。体に力はあるので、そのパワーをもっとバットに伝えられる使い方を学んでほしいですね。photo by Ohtomo Yoshiyuki記事を読む>山﨑武司がセンバツ10人の強打者を評価。特に「ベタ惚れ」なのは?