日本競輪選手養成所が候補生募集 新所長の神山雄一郎が語る競輪の奥深さと向いている人の資質とは
競輪界のレジェンド、神山雄一郎氏が日本競輪選手養成所の新所長に就任この記事に関連する写真を見る
2026年度の新候補生募集
競輪という競技に魅了され、36年の長きにわたりプロスポーツ界で活躍してきた選手が昨年末に引退した。それがGⅠ優勝16回と歴代1位の記録を誇るレジェンド、神山雄一郎氏だ。その神山氏はこの4月から日本競輪選手養成所の所長に就任。現場で陣頭指揮を執りながら、5月に入所した候補生らの指導にもあたっている。
その養成所でこの6月から来年度入所の新候補生の募集を開始した。自らもこの養成所(旧競輪学校)で訓練を積み、競輪選手としての基礎を築いた神山氏に、競輪の魅力とその奥深さ、養成所の施設や指導理念などを聞いた。
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引退時に再認識した競輪のすばらしさ
――神山所長は昨年末に引退されましたが、そのときにはどんな思いがありましたか。
これだけの成績を残させていただき、競輪に携われて本当によかったなと思いました。今までライバルだった選手や先輩・後輩、地元の選手、競輪ファンから引退に際してねぎらいの言葉もたくさんいただき、引退するときには、競輪業界そのもののすばらしさを改めて感じましたね。
――長年にわたる現役生活をとおして、競輪の魅力はどんなところにあると感じていますか。
競輪は個人戦でありながらも、複数人でラインを組んで戦います。選手同士が支え合い、助け合って、お互いの持ち場で全力を出しつつも、最後は個人として1着を狙う。こんなスポーツは、ほかにはないのかなと思います。この仕組みを理解して車券を買うお客様がいる。この競輪独特の文化は、お客様とともに発展してきたところがあり、その奥深さに私は魅了されました。
それから選手の視点から言いますと、ときに自分の努力が報われないこともありますが、練習した成果がしっかりと競走に反映され、なおかつ十分な収入が確保される。そこも魅力のひとつだと思っています。
――4月から所長に就任しましたが、今はどのような業務をやられていますか。
体制の変更について各機関へのあいさつ回りが最初の主な業務でした。また私はやはり競輪の現場が好きですので、5月に入ってきた候補生の様子を見に、時間が取れるときには教場に足を運んで声掛けをしています。指導もしますし、質問にもできる限り答えるようにしています。
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