ラグビー日本代表がオールブラックスと激突 過去の対戦で大野均が感じたすさまじいプライドと廣瀬俊朗を襲った疲労感とは
ラグビー元日本代表のレジェンド、廣瀬俊朗氏(左)と大野均氏(右) photo by Noto Sunao(a presto) ラグビー日本代表は10月26日(土)、神奈川県・日産スタジアムで、「リポビタンDチャレンジカップ2024」として「オールブラックス」ことニュージーランド代表と激突する。過去にオールブラックスと対戦経験のある、ラグビー日本代表最多98キャップを誇る大野均さんと、元キャプテンの廣瀬俊朗さんが、この一戦を心待ちにしている。東芝、そしてラグビー日本代表でともに戦ってきたふたりは、現在「リポビタンDアンバサダー」としても活動。廣瀬さんは15人制男子日本代表チームディレクター補佐(リーダーシップ担当)としてチームスタッフも務めている。東芝時代は選手寮で隣室だったという気心の知れたふたりに、日本代表時代を振り返ってもらいながら、エディー・ジョーンズHCが再任した日本代表やオールブラックス戦への期待などについて話を聞いた。
オールブラックスは特別な相手
――おふたりが2012年から2015年にともに戦ったエディー・ジョーンズHCがラグビー日本代表の指揮官に再び就きました。
大野 エディーさんと再会した時に、昔のことを思い出して緊張しましたが、すごく柔らかい雰囲気になったと感じましたね。
廣瀬 エディーさんは今の若い選手たちに対してアプローチを変えています。僕は、エディーさんからリーダー陣のサポートをしてほしいという申し出があったので、今の役職に就くことにしました。
――ジョーンズHCが「超速ラグビー」を掲げましたね。
大野 自分たちの時のスローガンが「ジャパンウェイ」で、今はそれが「超速ラグビー」になったんですが、さらに日本独自のラグビーを推し進めていくという意味だと捉えています。言葉として掲げることによって、選手もイメージしやすいですし、各ポジションにどういうパフォーマンスが求められるのかというのもわかりやすいですね。
廣瀬 これまでの積み重ねをブラッシュアップしていく意味では、こういう言葉があるといいですね。選手たちは、「超速ラグビー」を支えるためのフィジカル、運動量などを意識して練習や試合をやってくれています。最近の試合で、SO/FB李承信(神戸スティーラーズ)がキックを蹴ってトライを演出しましたが、今はキックもオフロードパスも使って、スピードで一気にトライを取り切ることを目指しています。まさに「超速ラグビー」ですね。
※ポジションの略称=HO(フッカー)、LO(ロック)、FL(フランカー)、SO(スタンドオフ)、WTB(ウイング)、FB(フルバック)、FW(フォワード)、BK(バックス)
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著者プロフィール
斉藤健仁 (さいとう・けんじ)
スポーツライター。 1975年4月27日生まれ、千葉県柏市育ち。2000年からラグビーとサッカーを中心に取材・執筆。ラグビーW杯は2003年から5回連続取材中。主な著書に『ラグビー『観戦力』が高まる』『世界のサッカーエンブレム完全解読ブック』など多数。