逆境の中でも五輪をサポート。ANAがスポーツを応援し続ける理由とは (3ページ目)
その後もスポーツ分野にも力を注いできたが、スポーツ支援の活動が一気に加速したのが2005年、JOC(日本オリンピック委員会)への協賛だ。この年を皮切りに、先に挙げた各団体への協賛が次々と始まり、東京オリンピック、パラリンピックへの協賛へとつながっていった。スポーツへの支援に力を入れ始めた理由を永尾氏はこう解説する。
「スポーツでは、夢の実現のために努力を惜しまない(選手たちの)姿を見ることができますし、幅広い世代へ大きな刺激を与えてくれます。それを前提として、我々はスポーツへのサポートの意義が2つあると考えています。1つ目はスポーツが、勇気や希望をもたらしてくれること。2つ目は国際大会などで、国同士の交流が盛んになることで、互いの国の理解の促進につながることです。
ここで挙げた2つの意義が、ANAの目指す『世界のリーディングエアライングループになる』ことに直結していきます。たゆまぬ努力を積み重ねながら、世界を舞台に活躍し、社会へ還元・貢献していく。その姿が重なり合うのではないかと考えています」
ANAは選手、団体をサポートする選考基準にも、この意義にある「世界の舞台での活躍」が深く関わっている。
「実力や将来性、選手サポートであればその方のキャラクター、団体で言えば競技人口も大きな判断要素となります。選手については、ANAの課題の一つが海外での認知度を上げることなので、国際舞台で戦うアスリートに焦点をあてています。団体については、たとえばANAが中国路線を多く開設していた時は、中国で人気の高い卓球をというように、ANAの進める事業戦略に応じて選定しています」
さらにANAでは、JOCが行なっているトップアスリートの就職支援ナビゲーション『アスナビ』を通じて25名の現役アスリートを社員として採用している。今回のオリンピック・パラリンピックには、競泳400mリレーの大本里佳、陸上男子200mの山下潤、バスケットボールの本橋菜子など、国内トップレベルの選手たちもいる。
五輪に出場する社員アスリートの壮行会をオンラインで実施 Photo by ANA
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