「野球に関わる仕事に就くためには何が必要?」投資を学ぶ高校野球部生が考えた (3ページ目)
【社会に自分の身を投じてみて...】
鈴木「でも、どんな会社でも野球に関連した部署に必ず配属されるとは限らないですよね」
由紀「いっそのこと、自分で起業してしまうというのはどうなのでしょうか」
奥野「ビジネスの基本は、世の中の困りごとを解決することにあるということは、これまで何度か話したよね。自分にそれができる能力があれば、仕事にできる可能性はある。ただ、ここで大事なことがひとつあって、それをするのが好きか嫌いか、得意か苦手か、ということなんだ。好きで得意ならベスト。苦手だけど好きなら何とかなるかもしれない。
でも、嫌いで苦手なことだったら苦痛でしかないだろうし、得意でも嫌いなことだったりすると、まず長続きしない。まあ、得意で嫌いなんてことは、そうそうないと思うけど、ここの軸はとても大事だと思う。
で、もうひとつ言っておくと、鈴木君が言うように、会社に入っても必ず自分の希望した部署に配属されるとは限らないし、だから由紀さんが言うように、起業してしまうという手もあると考えるのは理解できるけど、残念ながら、何のビジネス経験も持ち合わせていないような高校生や大学生が、ちょっとしたアイデアを思いついたからといって起業して成功する確率は、ほぼゼロと思っておいたほうがいい。それが現実の世の中なんだ。
いきなり夢を打ち砕くようなことを言ってしまったけど、さりとて野球に関連した部署に行くのは難しいという理由から、そういう仕事自体を諦めてしまうのではなくて、どんな世界でもいいから、自分の身を投じてみてほしいと思うんだ。
少し回り道になるけれど、たとえばそれが銀行だったとしよう。銀行で個人の資産運用ビジネスに携わっているうちに、スポーツ選手のセカンドキャリアに必要な資産運用のアドバイスをするビジネス、なんてことを思いついて、それを仕事にできるようになるかもしれない。とにかく、どんな仕事でもいいので飛び込んでみることをお勧めするよ」
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