2024年の「新・箱根駅伝勢力図」 学生ハーフで見えたのは「駒澤大無双」「青山学院大の戦力ダウン」 (2ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by 日刊スポーツ/アフロ

 不気味な存在になりそうなのが、箱根総合8位の創価大だ。嶋津雄大、葛西潤、フィリップ・ムルワら主力が卒業し、戦力ダウンかと思いきや、学生ハーフでは選手が着実に成長してきていることを証明した。

 小暮栄輝(2年)が62分55秒で5位、ルーキーで箱根5区13位の野沢悠真(1年)が62分58秒で7位とふたりが入賞を果たした。野沢は、ラストで平林(國學院大)や村松敬哲(東京国際大3年)をかわしてゴールし、粘り強い走りを見せた。

 また、全日本駅伝3区12位の吉田凌(2年)、吉田悠良(3年)はともに63分台で駆け、上杉祥大(3年)、竹田康之助(1年)、出雲5区5位の石井大揮(3年)は64分台。全18名が出走し、7名が65分切り、3名がPBを出すなど、上々の結果だった。

 ここに箱根3区14位の山森龍暁(3年)、8区9位の桑田大輔(3年)、10区15位の石丸惇那(1年)らが加わることになる。嶋津や葛西レベルに化けそうな選手もおり、箱根では上位校と勝負ができる編成が可能になりそうだ。

 箱根総合7位の法政大も強さを見せた。箱根1区3位の松永伶(3年)はラスト1キロでキレのあるスパートで並木寧音(東農大3年)をかわし、3位に入った。青木涼真(現Honda)、鎌田航生(現ヤクルト)に続くエースになるのは、松永だろう。

 箱根6区5位の武田和馬(2年)も62分57秒のPBで6位入賞を果たした。武田は、次回の箱根では往路の出走も狙えるのではないだろうか。稲毛崇斗(3年)が63分24秒(21位)、箱根5区10位の細迫海気(3年)が63分59秒(47位)でPB。安澤駿空(2年)、行天陽虹(1年)は64分台を出した。箱根8区区間賞の宗像直輝(3年)は65分台ともうひとつだったが、選手層が厚くなっている。

 法政大はこの3年間、箱根は17位、10位、今年は7位と着実に順位を上げてきた。山候補は健在でエースもいる。中間層が充実すれば総合5位以内は、射程圏内にあると言えよう。

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