50年以上ぶりの箱根駅伝出場を目指す立教大。カギとなる2年生コンビが語る課題と「意識の差」 (2ページ目)

  • 佐藤俊●文・写真 text & photo by Sato Shun

──ところで、ふたりはお互いのことをどう思っていますか?

中山 凱杏は、日本選手権で決勝に残る力があるのに、周囲に自慢したりすることがなく、謙虚だし、自分でなんでもコツコツとやっていく。自分の考えを曲げないところもすごいなって思います。

服部 コツコツというのは一緒かな。昨年、故障でぜんぜんやる気がなくて、練習ができなかった時も凜斗は普通に26キロを走っていて、よく走るなって思ったし、自分はけっこう適当に考えてやるんですけど、どんなメニューもポイントを押さえて練習している。あと、フォームがキレイだよね。

中山 昨年までは頭が振れていたけど、そこはブレないように意識してやってきた。最近は意識していなくて、気づいたらよくなっていた。

服部 昨年は箱根駅伝も走っているし、頑張っているなーって見てたよ。

中山 ハハハ、頑張ってたよ。箱根を走ったことで箱根をもう一度走りたいという気持ちが大きくなって、あとはもうチームでしか出ることができないので、なんとかみんなで出たいよね。

服部 箱根はすごい遠い目標だと思っていたけど、凜斗が走ってグっと身近に感じた。

 中山と服部は、箱根駅伝出場を実現するために(「立教箱根駅伝2024」事業)昨年、全国の陸上強豪校から集められた最初の世代だ。そのため一般入試で入学してきた上級生とは明らかにカラーが異なっており、立教大の本気度が伝わってきた。

──2年生世代って、立教大の中では、どういう世代になるんですか?

服部 自分たちの学年は、「立教箱根駅伝2024」事業の1期生で、力で選ばれて入学してきているので上級生を含めてチームを引っ張るのはもちろん、学生間でもトップクラスを目指すことが求められているし、それにふさわしい選手が集まってきたかなと思います。

中山 たしかにね。ただ、選び抜かれた選手のなかでも箱根への意欲がだいぶ違っている。「立教箱根駅伝2024」事業で入ってきているので、箱根に出たいという気持ちを全員でもっと深めていかないと。昨年の予選会で箱根への出場は甘くないことをチーム全体でわかったと思うので、それを1年生に伝えながら戦っていく必要があると思う。

服部 2年生のなかでも推薦で入った選手とそうでない選手との間に力の差はある。でも、全体的に仲がよいので、自分は流されやすいので、なれ合いにならないように気をつけています。

──練習で同学年のなかだったり、各学年との間でバチバチやり合うことはありますか?

服部 そういうのはないよね。

中山 バチバチはないかなぁ。

服部 高校の時は先生が厳しすぎて、先生対生徒みたいになっていたけど、バチバチになってたわけじゃなく、与えられたメニューをみんなで協力してこなすみたいな感じだったんです。今は、先生対学生みたいな感じはないです(笑)。

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