【東海大・駅伝戦記】日本インカレにみる「スーパー世代」2年生の明暗

  • 佐藤 俊●文・写真 text by Sato Shun photo by Nikkansports/AFLO

東海大・駅伝戦記 第7回

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 9月8日、日本インカレ初日、真夏のような日差しがトラックを照りつける。30度近い気温のせいで女子選手がゴール後に倒れたりするなど、選手にとってかなり厳しいコンディションになっている。

 日本インカレは全国の大学陸上部が集まり、種目ごとの個人成績とチームの総合成績を競う対校の陸上競技大会だ。毎年5月には関東インカレが開催されるが、それはあくまでも地区のインカレであり、この日本インカレが大学日本一を決める大会である。

 しかし、近年は駅伝常連大学が1カ月後に控えた出雲駅伝や夏合宿のために主要な選手を派遣するのを避ける傾向がある。一方で歴史ある大会に敬意を払い、教育的見地からも選手を送り出す大学もあり、日本インカレを戦う大学は二極化されつつある。

 そろそろ1500m決勝が始まる。

 午前中の予選に東海大は館澤亨次(2年)、木村理久(きむら りく/2年)、塩澤稀夕(しおざわ きせき/1年)の3人が出場した。残念ながら塩澤は4位となり、決勝に進めなかった。白樺湖合宿では3人で充実した練習ができており、コンディションも悪くなかったはずだが、まさかの予選落ちだった。

 塩澤は悔しさを噛みしめていた。

「トラックシーズンの締めで上位入賞を考えていたんですけど、ラストの勝負で負けてしまって......。最初、ちょっと遅いペースだったので、あれなら自分が引っ張っていった方が全然チャンスがあったと思うんですけど、結局一度も前に出ることなく終わってしまった。ショックですけど切り替えていくしかないです。これを発奮材料にして、ここで力を出し切れなかった分、出雲で絶対(すべての力を)出してやるという気持ちでやっていきたいです」

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