高機能が売りのランニングシューズは、どのようにつくられているのか (5ページ目)

  • 宮崎俊哉●取材・文 text by Miyazaki Toshiya
  • photo by Sportiva

 さらに、アッパーも余計なものをそぎ落とし、ランナーの要望に応える開発が進められた。アッパー全面を覆うのは、凹凸のあるメルトメッシュという素材。通常の繊維にプラスチックの糸を混ぜて編み込み、熱圧着する。熱で溶けたプラスチック部分が凹み、剛性がアップするとともにフィット感、サポート性も高く、ランナーにとっては「軽くて、足あたりがいい」と感じる。

Nマークの周りのデコボコしている部分にも、最新の技術が使われているNマークの周りのデコボコしている部分にも、最新の技術が使われている「サポート性、ホールド感を高めるために従来はさらにもう1枚張っていましたが、メルトメッシュならこれ1枚で十分です。機能性だけでなく、ランナーが好む見た目の新しさも実現しました」(武田氏)

 ランニングシューズの開発は、このようにデータ取りと素材選びがカギとなる。こうしてできた製品を市場にアピールしていくために、次はマーケティング戦略が重要になってくる。

(後編につづく)

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