山縣、桐生、サニブラウン...。男子4×100mリレー代表争いが大激戦

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 築田純●写真 photo by Tsukida Jun

 8月のリオデジャネイロ五輪の陸上競技では、日本にとって男子競歩とともに貴重なメダル候補でもある男子4×100mリレー。5月8日までの春季サーキットとゴールデングランプリ川崎(川崎)が終了した現時点で、その代表争いがますます熾烈になってきた。

桐生祥秀(右)との直接対決を制し、ジャスティン・ガトリン(中央)に次いで2位に入った山縣亮太(左)。桐生祥秀(右)との直接対決を制し、ジャスティン・ガトリン(中央)に次いで2位に入った山縣亮太(左)。 昨年の世界選手権では予選敗退だったが、それはエースの桐生祥秀(東洋大)が太股肉離れのため代表に入れなかったことが大きい。主力の高瀬慧(けい/富士通)が故障でメンバーから外れ、急遽組み直したオーダーだったというのも原因のひとつだった。

 しかし、個人の成績を見れば、高瀬は100mこそ10秒15で走りながらも準決勝進出は逃したが、200mでは藤光謙司(ゼンリン)やサニブラウン・ハキーム(城西高)とともに準決勝へ進出していた。

 今年は桐生もケガから復帰し、4月2日のアメリカ・テキサスリレーでは向かい風1.4mの中10秒24で走り、海外選手を抑えて優勝するいい滑り出しをしている。

 こうして迎えた国内での戦いは、4月29日の織田記念の100mでロンドン五輪出場の山縣亮太(セイコーホールディングス)が優勝し、5月3日の静岡国際の200mでは10年世界ジュニア優勝でロンドン五輪出場の飯塚翔太(ミズノ)が優勝と、昨年まで故障で苦しんでいた実力者たちが復活した姿を見せた。

「苦しい時期があったおかげで自分を見つめ直して考えながらできた。向かい風だったが中盤の加速は風に負けないくらいにしっかりできたし、優勝してほっとした」

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