東京マラソンの日本勢惨敗。もう、世界との差は埋まらないのか...... (3ページ目)

  • 酒井政人●取材・文 text by Sakai Masato
  • photo by AFLO

 優勝したフェイサ・リレサ(エチオピア)が2時間6分56秒で、日本勢は「4分以上」の大差をつけられた。これが世界のメジャーレースで叩きつけられた日本マラソン界の現実だ。

 前回大会で日本歴代6位の2時間7分39秒をマークした今井正人(トヨタ自動車九州)は昨夏に髄膜炎を発症して1カ月走れなかったことが響き、2年前の日本人トップ、松村康平(MHPS長崎)も1月下旬に右膝を痛めて万全の状態でなかった。しかし、「プロ」としての意識があるならば、五輪選考レースでの敗戦に言い訳はできないだろう。

 今大会は日本人の2~4位を下田裕太(青学大)、一色恭志(青学大)、服部と学生勢が占めた。日本マラソン界が低迷する理由として箱根駅伝がスケープゴートにされるが、それは違う。2020年の東京五輪から「逆算」するかたちで学生勢がマラソンに積極参戦し、結果も残した。

 そのなかでも「世界」を見据えて戦ったのは、トップ集団に食らいついた23歳の村山(2時間16分58秒の26位)と、30㎞から攻めのスパートを見せた22歳の服部(2時間11分46秒の12位)の2人だけ。

「何が足りないのか、いまの段階では分かりません。日本人トップを狙うなら、第2集団で行くべきだったかもしれないですけど、それは何とも言えないです」と村山が言えば、服部は「同じ大学生に負けたのは恥ずかしいことですし、情けない。マラソンの難しさを実感しましたね。どうやったら6分台、7分台で走れるのかをもっと追及して、練習していきたい」と悔しさを滲ませた。初マラソンは厳しい戦いとなったが、2020年東京五輪に向けては、大きな収穫になっただろう。

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