青山学院大に死角は?「箱根」を見据えて全日本大学駅伝を占う (2ページ目)

  • 酒井政人●取材・文 text by Sakai Masato
  • 時事通信社●写真

 箱根を見据えて全日本を戦う大学が多いなか、青山学院大は現時点での「ベストメンバー」で臨む。出雲は故障で出遅れていたエースの神野大地を外したが、全日本のエントリーには入れてきた。8月上旬から練習を再開した神野がどこまで回復しているのか、全日本の起用区間で見えてくる。主要区間(1、2、4、8区)を任せられる状態なら、箱根本番でも爆走が期待できるだろう。反対に、他の区間を走ったりメンバーから外れたりするようだと、今年の箱根5区で見せたほどの快走は難しいかもしれない。

 全体の戦力を考えても、出雲を制した青山学院大がやはり優位。全日本では、前々回に初めてシード権(6位)を獲得し、前回は初のトップスリー(3位)。今回はトラックのタイムがナンバーワンだ。今年のユニバーシアードのハーフマラソンでワン・ツーを飾った小椋裕介と一色恭志、出雲3区で区間賞を取ったスピードランナーの久保田和真。この3人が入るだろう主要区間が強力なうえ、つなぎのメンバーも充実している。正月の箱根、10月の出雲に続く3連勝での初Vを目指すことになる。

 初優勝に突き進む"アオガク"をなんとしても止めたいのが、全日本で最多12回の優勝を誇り、現在4連覇中の駒澤大だ。選手層が厚く、最終8区にもエース級を置ける青山学院大に勝つためには、先制攻撃を仕掛けるしかない。7月のユニバーシアード10000mで銅メダルを獲得した中谷圭佑がその役割を担うことになるだろう。出雲では、1区の中谷で飛び出してアンカー決戦まで持ち込んでいる。両校の戦力を考えると、2区終了時までに抜け出した方が断然有利となるため、序盤のエース対決が勝負のカギを握りそうだ。

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