伸びしろだらけ!「 パラ・パワーリフティング」女子選手たちの挑戦

  • 荒木美晴●取材・文・写真 text&photo by Araki Miharu

 パラ・パワーリフティングの国際大会「北九州2018ワールドパラパワーリフティングアジア―オセアニアオープン選手権大会」が9月8日から12日まで、北九州芸術劇場で行なわれた。2020年東京パラリンピックに出場するための条件として、IPC(国際パラリンピック委員会)より、参加必須の大会と指定されており、世界29カ国・地域から約200名が参加した。

パラ・パワーリフティングを始めて2年弱のマクドナルド山本恵理パラ・パワーリフティングを始めて2年弱のマクドナルド山本恵理 パラ・パワーリフティングは、下肢障がいの選手のためのベンチプレス競技。男女それぞれ体重区分で10階級に分けられている。今大会、日本勢では男子88kg級の大堂秀樹(SMBC日興証券)が銅メダルを獲得した。

 圧巻だったのは中国勢だ。10階級中、男子は5階級、女子は8階級を中国選手が制した。とくに女子は、45kg級、67kg級、70kg級で世界新記録を樹立。もともと中国はリオパラリンピックで計12個のメダルを獲得するなど、男女とも世界級の選手を揃えているが、今大会は存在感の大きさを改めて示した格好だ。

 一方、日本の女子はジュニアを含めて6階級に6選手が出場。いずれも他国選手の欠場などを除けば、出場選手中最下位あるいは失格と、世界との差を見せつけられる大会になった。ただ、まだキャリアが浅い彼女たちにとって学びの多い大会になったはず。「女性でも、40代でも、やればやるだけ記録が伸びる」と言われる世界。伸びしろが大きい彼女たちが、今後どのような成長を遂げるのか楽しみである。

 これまでパラリンピックに出場した日本人選手は男子のみ。2020年東京パラリンピック開催決定を機に、日本パラ・パワーリフティング連盟が地道に体験会や発掘事業を実施し、選手育成に力を入れているところだ。

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