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発走機についている瞬間は「死にに行く覚悟」 パリ五輪後、太田りゆの次なる目標は競輪祭での優勝

  • text by Sportiva

自転車競技から引退しガールズケイリン専念を表明した太田りゆ photo by Sano Miki自転車競技から引退しガールズケイリン専念を表明した太田りゆ photo by Sano Mikiこの記事に関連する写真を見る

 パリ五輪で、女子ケイリン日本勢歴代最高の9位という成績を残して、自転車競技の代表から引退した太田りゆ。ガールズケイリンに専念することを発表し、9月から実際に参戦すると、川崎競輪場、宇都宮競輪場、函館競輪場、松坂競輪場での4開催で連続優勝を果たした。しかもすべて1着の完全優勝だ。そして、11月19日(火)から21日(木)に行なわれるGⅠ開催「競輪祭女子王座戦」でも優勝候補のひとりに挙げられている。この開催の優勝者には、ガールズケイリン最高峰のレース「ガールズグランプリ2024」への出場権が与えられるだけあって、彼女にとっても是が非でもほしいタイトルである。競輪祭に駆ける意気込みを聞いた。

【パリ五輪後の多忙な日々】

――ナショナルチームを離れ、ガールズケイリン1本に絞りましたが、ペースはつかめてきましたか。

 全然つかめていません。本当にありがたいのですが、オリンピックが終わってからはすごく忙しい毎日を送らせてもらっています。同じところに3日以上いることがないのではないかというくらい、いろんな活動をしています。生活を安定させるというよりは、一生懸命生きているという感じです。

――そのなかで新しい発見はありましたか。

 今は30歳なんですが、21歳からずっとナショナルチームで修行僧のような生活を送っていました。だから新しいことだらけです。初挑戦のこともいっぱいあって、今は全力ダッシュしている感じ。すごく楽しいですね。

――9月からここまでの競輪ではすべて完全優勝です。この結果についてはどう感じていますか。

 絶対に負けてはいけないという状況のなかでレースをしなくちゃいけないので、すごく緊張していました。みんなに期待してもらっていて、裏切ってしまったら、車券がパーになっちゃう。そこは競技とは違うところで、気持ち悪くなるくらい緊張しました。

――パリ五輪での好成績もありますので、ファンからの声援も変わってきているかと思いますが、プレッシャーに感じることはありますか。

 たくさんの声援をもらっていていますが、それがプレッシャーに感じることはありません。むしろやらなきゃとか、勝つために走らなきゃと思っています。発走機についている瞬間は、過剰な表現かもしれませんが、死にに行く覚悟。その意味では周りの選手より私のほうが緊張しているかもしれませんね。

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