オリンピック決勝の日に生理。潮田玲子&中川真依が女性のコンディション作りの難しさを語る (2ページ目)

  • 早草紀子●取材・文 text by Hayakusa Noriko
  • photo by Hayakusa Noriko/AFLO

 次のロンドンオリンピックでも同じ思いをするのは嫌だと思って、大会前に調整しようとピルを使ったら、それが合わなかったんです。とにかく太るし、むくむし、筋力も落ちてしまいました。飛び込む衝撃に耐えられなくて首を捻挫(ねんざ)するわ、腹筋が二度も切れちゃうわ......。空中で体を引きつけたりするので腹筋がすごく必要なんですけど、痛くて力を入れられないんですよ。

 飲み続けてしばらくして、トレーナーに「何をしたんだ!?」って言われて、「ピルを飲みました」と話したら、すぐやめるように言われました。当時は、ピルにいくつも種類があることも知らなかったし、自分に合うか合わないか飲んでみないとわからないところもあるので、もっと早くに準備しておけばよかったと思いました。

 合う薬を見つけるための準備期間が必要だということも知らなかったんですよね。結局、そのケガをオリンピックまで引きずっちゃって、体重はなんとか戻ったけど、キレとかは戻り切らなかった。本当にツラかったです。

――さまざまな競技で、生理不順などで婦人科に通っている選手もいます。若い頃から専門家としっかり話ができる環境があれば違っていたと思いますか。

潮田 それは感じますね。当時は教えてもらう機会がなかったですから。ただ現役時代、特に10代のときに婦人科へ行くっていうのはハードルが高いんです。妊娠したと思われるんじゃないかとか......。

中川 性的な病気なんじゃないかとか思われるもの嫌だし、行ったとしても周りに言えないですね。

潮田 なかなか話せないですよね。ナプキンをしてると汗ばんで気持ち悪い。でも中学生のときは、タンポンの使い方をよく知らなかったし。そういうのはどうしていましたか。

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