2020.12.24

日本の「お家芸」4×100mリレー。世界を驚かせたリオ五輪の舞台裏

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by PHOTO KISHIMOTO

PLAYBACK! オリンピック名勝負ーー蘇る記憶 第44回

スポーツファンの興奮と感動を生み出す祭典・オリンピック。この連載では、テレビにかじりついて応援した、あの時の名シーン、名勝負を振り返ります。

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リオデジャネイロ五輪男子4×100mリレーで銀メダルを獲得した日本チーム 
2016年リオデジャネイロ五輪の閉幕前日、日本を沸かせたのは、陸上男子4×100mリレーの銀メダル獲得だった。

 00年シドニー五輪以来、世界大会の決勝の常連になり、08年北京五輪では銅メダルを獲得(*優勝したジャマイカのドーピング違反が2018年に判明し、銀メダルに繰り上げとなった)。その後はメダルにあと一歩のところで足踏みしていたが、リオ五輪ではウサイン・ボルトを擁するジャマイカに次ぐ2位でゴール。実力でもぎ取った銀メダルという、価値ある結果だった。

 他の強豪国のような、100m9秒台や200m19秒台がひとりもいないチームでの快挙。背景には、高いレベルでほぼ同等の力を持った選手がそろい、バトン技術を高めたられたことがある。

 北京五輪後は朝原宣治の引退や末續(すえつぐ)慎吾の休養、塚原直貴の不調により、ナショナルチームに残ったのは高平慎士だけになった。11年世界選手権は予選敗退の屈辱を味わったが、同時に若い世代が育ち始めていた。

 12年ロンドン五輪では、当時20歳の山縣亮太が初出場ながら100m予選で自己新記録を出して準決勝進出。10年世界ジュニア200mを優勝した21歳の飯塚翔太も、個人では予選敗退だったが、4×100mリレーは4走を務めて4位入賞に貢献する走りを見せた。