ツール・ド・フランス開幕。不安の残る王者フルームを襲う3人の刺客 (4ページ目)

  • 山口和幸●取材・文 text by Yamaguchi Kazuyuki
  • photo by AFLO

 キンタナは2013年に総合2位と山岳賞・新人賞を獲得した登りのスペシャリスト。2014年はジロ・デ・イタリアに集中して総合優勝を達成し、ツール・ド・フランスは欠場した。2015年のツール・ド・フランスは総合2位と新人賞。2016年は総合3位だった。今季は「2大大会制覇」という目標を掲げてシーズンイン。5月のジロ・デ・イタリアでは最終日に逆転されて、その目標はもう達成できない状況となったが、すでにツール・ド・フランスの山岳コースをにらんだ再調整を終えている。

 一方のコンタドールはジロ・デ・イタリアを欠場して、この大会に照準を合わせている。今年はアメリカのトレック・セガフレードに移籍し、8年ぶり3度目の総合優勝を狙っている34歳。チームの布陣はコンタドールをエースにアシスト陣を固めているが、日本の別府史之がメンバーから外れてしまったのは非常に残念だ。

 アルは地元サルディーニャ島で開幕したジロ・デ・イタリア100回大会に懸けていたが、大会直前に故障。ターゲットをツール・ド・フランスに変更し、6月25日のイタリア選手権を制して乗り込んでくる。今年のアスタナ・プロチームは、2014年のツール・ド・フランスを制したヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)が他チームに移籍。ジロ・デ・イタリアではアルをエースに、ツール・ド・フランスではヤコブ・フグルサング(デンマーク)をエースに起用する予定だったが、アルのジロ・デ・イタリア欠場とその後の復活によってツートップで戦う方針に修正した。

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