五輪メダルを狙うスノーボードで、男子トップ3人が描く平昌への戦略 (2ページ目)

  • 徳原 海●取材・写真・文 text&photo by Tokuhara Kai
  • photo by BURTON(競技)

 今シーズン、ここまでSAJ(全日本スキー連盟)の方針によって、X GAMESなどの一部のプロトーナメント以外はほとんど大会に出場していなかった平野。そんな彼にとって、このUSオープンは大切な大会だったようだ。予選前のインタビューでこう語っていた。

名実ともに世界屈指のライダーに成長した平野歩夢名実ともに世界屈指のライダーに成長した平野歩夢「今は、練習も日常生活も気持ちの面もすべて平昌を意識したものになっています。だから今回のUSオープンも、最終的に平昌で勝つために練習している自分のライディングをフルにぶつけていきたいと思っています。周りのライダーも五輪1年前ということで、すごく気合いが入っているように感じる中で、しっかり優勝に届くような滑りをしたいなって。五輪本番の数本のランで100パーセントの自分を出せるように、他の強い選手たちが完璧なランをしたとしてもそれを上回れるように、今自分が持っているルーティンをこの大会でさらに自信のあるものにしたいです」

 その言葉通り、予選は高さも技の精度も頭一つ抜けた貫禄のルーティンで3位につける。ちなみに予選1位は今年のX GAMES覇者スコッティ・ジェームス(オーストラリア)、2位はトリノ、バンクーバー五輪2大会連続金メダルのショーン・ホワイト(アメリカ)。その状態の良さに、現地で取材していた日本の各メディアも優勝が狙えるのではないかと大いに色めき立った。

 しかし、決勝に思わぬ落とし穴が待っていた。1本目が着地ミスによって51ポイントに終わったあとの勝負の2本目、大技CABダブルコーク1440を繰り出した直後に着地で激しくクラッシュ。ストレッチャーで運ばれてそのまま3本目は棄権となり、結果は7位に終わった。

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