何者なんだ? 男子スピードスケートに現れた新星は「村上電気」所属 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 藤田孝夫●写真 photo by Fujita Takao

 世界初参戦となる村上は異色の新星と言えるが、この大会ではこれまで期待されていた選手も好記録を出して日本男子復活への期待を高めてくれた。その一番手が、昨季の世界距離別選手権のマススタートで5位になっている中村奨太(ロジネットジャパン)だ。13年ジュニアW杯ファイナル1500mで3位に入って期待されていた選手だが、ソチ五輪代表は入りはならず、その後も年下のウィリアムソン師円(シェーン/日本電産サンキョー)などの後塵を拝していた。

 だが今回は、2日目の1500mで1分46秒26の国内最高記録で、3年ぶりの優勝を果たした。この記録は08年にデニー・モリソン(カナダ)が出したリンクレコードにも、あと1秒02まで迫るものだった。さらに2位の近藤太郎(専修大)も好記録を出し、3位の師円と4位の小田卓朗(水戸開研)も大会記録を更新するなど、全体的にレベルの高い戦いになった。

「最初の300mは想定通りで、700mは少し遅いかなと思ったんですけど、小田とはあまり離れていなかったのでそのまま勢いを維持していけた。正直、自分は太郎よりもスピードがないので勝てるとは思っていなかったし、昨日の5000mの疲れもあったのでタイムがここまで出るとは思っていませんでした。コーチのヨハンもビックリしていました」

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