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【大相撲】新大関・照ノ富士は、大鵬級の大横綱になる可能性がある!

  • 福留崇広●文 text by Fukutome Takahiro
  • photo by Kyodo News

連続優勝に向けて、連日の稽古にも 力が入る新大関・照ノ富士連続優勝に向けて、連日の稽古にも 力が入る新大関・照ノ富士
 大相撲7月(名古屋)場所が12日に初日を迎える。注目は、何と言っても新大関・照ノ富士(伊勢ヶ濱部屋)だ。夏場所で初優勝を飾り、三役をわずか2場所で通過する異例のスピード昇進を果たした。昇進伝達式での口上では「さらに上を目指して精進いたします」と述べた。

「横綱にはなりたいと思ってなれるものではない。自分で選ぶのではなく。神様が選ぶもの。これから選ばれるように頑張りたい」と意欲を露(あら)わにする照ノ富士。過去、横綱昇進まで大関の在位が最も短いのは、北の湖、千代の富士、朝青龍の3場所。いずれも優勝20回を超える3人の大横綱を上回る最短記録の更新はなるのか。師匠の伊勢ヶ濱親方(元横綱・旭富士)の言葉からその可能性を探る。

 伸び盛りの力士を角界では「寝て覚めてまた強くなる」と評される。今年に入ってからの照ノ富士は、まさにこの表現がピタリと当てはまる。東前頭2枚目で迎えた1月場所を8勝7敗で勝ち越して敢闘賞を受賞すると、一気に新関脇に昇進して迎えた3月場所で横綱・白鵬を倒し13勝2敗で準優勝。そして、5月場所で念願の初優勝を飾った。目に見えた進化を伊勢ヶ濱親方は「相撲が速くなったところがいい」と評価する。

 象徴的な一番がある。同じモンゴル出身でともに鳥取城北高校へ相撲留学し、角界入りしたライバル、逸ノ城(湊部屋)との対戦だ。1月場所と3月場所は、同じ右四つがっぷりに組んで平成以降では初の2場所連続の水入りとなった。ファンは「熱戦」「大相撲」と拍手喝采だったが、師匠は「あれは、最もダメな相撲」と切り捨てた。

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