【2014年回顧】ソチ五輪。選手たちが流した涙に日本中がもらい泣き (3ページ目)

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva

 しかし、優勝候補筆頭として臨んだ2月11日の女子ノーマルヒル。髙梨は1本目で3位と伸び悩むと、2本目も飛距離が出ず、まさかの失速……。結果、髙梨は4位に終わってメダルを逃すことになった。

 試合後、髙梨は目に涙を浮かべながら、「納得のいくジャンプができなくて残念です。またオリンピックに戻ってこられるように、もっともっとレベルアップしたい」とコメント。今シーズン、髙梨はワールドカップ総合優勝3連覇を目指して、日々レベルアップに励んでいる。

2014年プレイバック (4)
羽生結弦が日本人男子初の五輪金メダル獲得

 オリンピック年の2013-2014シーズン、羽生結弦は幸先のいいスタートを切った。フィンランディア杯で2連覇を果たし、グランプリシリーズ・カナダ大会とフランス大会は2位。そして、駒を進めたグランプリファイナルではショートプログラム歴代最高記録を更新し、フリーでも自己ベストを上回る出来栄えで初優勝を遂げたのである。そして、全日本選手権を2連覇した羽生は、初めて五輪代表に選出され、ソチの大舞台に足を踏み入れた。

 迎えたソチ五輪での最初の演技は、今大会から新種目としてスタートした団体戦。日本はショートプログラムで1位になるものの、最後は総合5位に終わり、個人種目へと移行した。そして男子シングル個人、羽生はショートプログラムで完璧な演技を見せ、史上初の100点越えとなる101.45点をマークして首位に立った。

 そしてフリーでは、冒頭の4回転ジャンプで転倒するものの、ライバルと見られていたパトリック・チャン(カナダ)もミスが続き、その結果、羽生の金メダルが確定。フィギュアスケート男子シングルにおいて、日本人初の五輪金メダリストとなった。また、19歳65日での金メダル獲得は、五輪史上2番目の年少記録。平成生まれの日本人としても、夏季・冬季を通して初の五輪金メダリストとなった。

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