「りくりゅう」三浦璃来・木原龍一、大きなミスでNHK杯2位も「すごく笑っていたので大丈夫」
【久しぶりの日本での演技】
11月9日、国立代々木第一体育館。GPシリーズ・NHK杯のペアはジョージアのアナスタシア・メテルキナとルカ・ベルラワが213.05点で制している。いわゆる伏兵の台頭と言えるだろう。
本命だった日本の「りくりゅう」こと三浦璃来と木原龍一のペアは209.45点で、惜しくも2位だった。
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2022−2023シーズン、りくりゅうは世界を席巻し、GPファイナル、四大陸選手権、世界選手権と総なめにした。ただ、昨2023−2024シーズンは木原の腰痛で休養を余儀なくされている。1年7カ月ぶり、日本で久しぶりのお目見えになったわけだが......。
ふたりの表情に暗さはない。りくりゅうの現在地とは?
11月8日、りくりゅうはショートプログラム(SP)で71.90点と大台に乗せ、堂々のトップに立っている。
久しぶりの国内での演技で、健在ぶりを示したと言えるだろう。序盤のジャンプ、3回転トーループで三浦が回転不足になったが、みごとに立て直し、まとめ上げている。その勝負強さに、王者の面影が透けて見えた。
「ミスは出ましたが、しっかりとリカバリーし、集中を取り戻せたのはよかったと思います。練習からミスが出ても、しっかりやるようにしていますし......毎回、完璧にできればいいんですが、ミスは出るものなので。切り替えて、次のエレメンツに行けるように、というところで成長できているなって」
木原がそう振り返ったように、ふたりは少しも動じなかった。
一方で、三浦も演技そのものを堪能していた。
「たくさんのバナーや国旗を振ってもらって。昨シーズンは練習すらできない状況だったので今は1試合1試合、たとえミスはあっても、その課題を見つけて、次に改善していけるっていうのが、とてもありがたいことだなって思います」
今は練習と試合の日々を重ねるなか、パフォーマンスレベルを上げつつあるのだろう。
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著者プロフィール
小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。