フィギュアスケート上薗恋奈が高橋大輔から学んだ「美」 注目度上昇の14歳が強化合宿で収穫
【記録より記憶に残る選手に】
昨シーズンの世界ジュニア選手権で島田麻央が2連覇を達成。その表彰台にはもうひとりの日本人選手がいた。名古屋市出身の14歳、上薗恋奈だ。
大阪・関空アイスアリーナで行なわれた全日本ジュニア合宿に参加した上薗恋奈この記事に関連する写真を見る
上薗は、ジュニアデビューシーズンにジュニアグランプリ(GP)ファイナルで表彰台に立ち、全日本選手権でも4位入賞すると、その勢いのまま世界ジュニアでもショートプログラム(SP)8位からフリーで3位につけ、銅メダルを獲得した。
抜群の安定感と、クラシカルな音楽も個性的な音楽も演じきる感性を持つ。まだジュニアだが、「記録より記憶に残る選手になりたい」(世界ジュニアのコメント)と話す上薗は、ジャンプはもちろんのこと、スケーティングや表現にも力を入れる。
自分の魅力は何か、それを観客に伝えるにはどうしたらいいかを常に頭に入れて滑っている。
7月に行なわれたジュニアの強化合宿では、講師の高橋大輔から多くのことを学んだ。個人練習の時間にはプログラムの音の取り方や動きの強弱を、全体練習ではフリーレッグの美しいさばき方をあらためて学び、「指先、爪先まで意識を向けることを教えていただきました」と収穫を語った。
昨シーズン結果を出してきた上薗は、今季さらに注目を集めることになるだろう。しかし、彼女は「知られているということはうれしいことですし、活力にもなります。プレッシャーも楽しみながらできたらいいのかなと思います」と話す。
今季のSP『Voila』の邦題は『これが私』。少し大人っぽいシャンソンだが、「自分のスケートを世界に見せていきたい」と言う彼女にぴったりなプログラムではないだろうか。メイクやおしゃれが大好きな14歳は、氷の上での美しさにも磨きをかけていく。
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著者プロフィール
山本夢子 (やまもと・ゆめこ)
スポーツライター。青森県八戸市出身。5歳からフィギュアスケートを習い始め、高校卒業まで選手として各大会に参加。その後、渡米し大学を卒業、就職。帰国後は、コピーライターとして広告制作に携わる。2005年からフリーランス。現在はライターとしてフィギュアスケートの専門誌を中心に執筆中。